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» 2015年04月10日 08時00分 公開

KADOKAWAが「復刻版 戦中戦後時刻表」を“再復刻” ただし販売は未定杉山淳一の「週刊鉄道経済」(2/5 ページ)

[杉山淳一,ITmedia]

なぜKADOKAWAが時刻表を売るのか

広告の企業や商品名、路線図などは鉄道ファンだけではなく、昭和史の研究家にも興味深いと思われる(出典:ketsujitsu) 広告の企業や商品名、路線図などは鉄道ファンだけではなく、昭和史の研究家にも興味深いと思われる(出典:ketsujitsu)

 そもそも、なぜKADOKAWAが時刻表復刻版を販売できるのか。時刻表と言えばJTBパブリッシングや交通新聞社が最大手で、復刻版に関しては老舗のJTBパブリッシングが積極的。国鉄時代の時刻表は電子出版で提供されていて、私もKindle版やGoogle Play書籍版を愛用している。しかしKADOKAWAと時刻表は結び付かない。角川書店時代から時刻表は刊行されていなかったと思う。

 これは、最近のKADOKAWAグループの企業動向に関係がある。「復刻版 戦中戦後時刻表」は、元々、新人物往来社が1999年11月に刊行した商品だ。当時の本体価格は3万5000円。現在は品切れで、Amazonの中古品の出品価格は1万2000円〜6万9857円。6冊セットの箱入り商品で、開封済みは定価より安く、未開封品はプレミアがついている。

 発行元の新人物往来社は歴史書に強い出版社だった。雑誌「人物往来」を創刊し、これは後に「歴史読本」となる。復刻版時刻表は現代史、近代史の資料という意味合いで刊行されたようで、戦中戦後のほか、「明治鉄道開業」「明治大正」「昭和戦前」がある。ほかにも鉄道に関連する書籍がいくつかあった。

 新人物往来社は、2008年に中経出版の子会社となり、中経出版は2009年に角川グループホールディングス(旧角川書店)の子会社となる。つまり新人物往来社は角川グループの孫会社となった。さらに2013年4月に中経出版は新人物往来社を吸収合併し、その中経出版も10月に角川グループ再編成でKADOKAWAに吸収合併された。こうして、新人物往来社のコンテンツ「復刻版 戦中戦後時刻表」はKADOKAWAのものになったのだ。

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