フォルクスワーゲン グループ ジャパンは4月21日、「フォルクスワーゲン 新ブランドコミュケーションについて」と題した発表会を行った。発表会に登壇したのは、同社社長の庄司茂氏だ。庄司氏によれば、フォルクスワーゲン ジャパンには、とある「悩み」があるのだという。
日本市場におけるフォルクスワーゲンは、15年連続で輸入車登録台数No.1。販売台数の実績がある半面、ゴルフやポロといった個別の車種のイメージは強いものの、“フォルクスワーゲン”ブランド全体としての印象が薄い、という調査結果がある。
「輸入車ナンバーワンなのに、薄いイメージ……これが悩み。フォルクスワーゲンブランドの輪郭をハッキリさせたい」(庄司氏)
フォルクスワーゲンブランドを強くする、という目標を掲げ、顧客との接点を見直し、360度あらゆる顧客視点でブランド価値を上げていく、とする。「(フォルクスワーゲンの)ターゲットは『ライフスタイリスト』。ライフスタイリストとは、見かけだけ、格好だけではなく、充実した生活を送る人。ライフスタイリストそれぞれに合ったクルマを提案していく」(庄司氏)
フォルクスワーゲンブランドには二つの側面がある、と庄司氏は話す。一つは「プロフェッショナル/質実剛健さ」そしてもう一つが「人のために存在/人に愛される側面」だが、日本においては後者が弱かったと指摘する。「人と共にある、愛されるクルマであるフォルクスワーゲン。このブランドイメージの強化に力を入れる」
もう一つ、これからはフォルクスワーゲンジャパン自身が「ワーゲン」という愛称を自称していくという。日本ではフォルクスワーゲンを略して「ワーゲン」と呼ぶ人が多いが、ワーゲンはドイツ語で「クルマ」の意味。そのため、フォルクスワーゲン ジャパンが「ワーゲン」と自称することはなかった。
「これまで『ワーゲン』という愛称は封印していたが、解禁する。あえてタブーをやめて、これからは『ワーゲン』と自称する。ドイツ本社には『何を言っているんだ』と言われたが、お客様に寄り添う身近なブランドを目指す」(庄司氏)
こうした説明の後に発表された、フォルクスワーゲン ジャパンの新ブランドスローガンが「ゴキゲン♪ワーゲン」だった。日本だけで、独自で展開するブランドキャンペーンだという。
4月22日から「ゴキゲン♪ワーゲン」のテレビCMが放映されるほか、フォルクスワーゲン社員の名刺は「ゴキゲン名刺」に切り替わるという。特にテレビCMは庄司社長自身も「一部脱力感も感じるCM」と話すほどの“ゆるふわ系”だ。
また、4月21日から5月11日まで期間限定で「Try VWキャンペーン」を行い、フォルクスワーゲン正規販売店に来場した応募者の中から抽選で500人に、ワーゲンバスをかたどったトースターをプレゼントするなどして、親しみやすさを訴求していくという。
「毎日のちょっとしたゴキゲンがあったら、そのたびにワーゲンを思い出してほしい」(庄司氏)
庄司氏はこう述べて発表会を締めくくった。果たしてフォルクスワーゲン ジャパンのブランドイメージは、狙い通り「ゴキゲン」に強化されるのだろうか……。
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