グーグルやセレブもハマる、ベンチャー企業の“青田買い”はなぜホットなのか?新連載・来週話題になるハナシ(1/3 ページ)

» 2015年04月30日 08時00分 公開
[藤井薫ITmedia]

来週話題になるハナシ:

 24時間365日、いまも世界のどこかでユニークで刺激的な話題や新しいトレンドが次々と生まれている。だが、大半は情報としてこぼれてしまっている。そんなメインストリームでない情報こそ、ビジネスで使えるネタが詰まっているのではないだろうか。

 そこで、情報感度の高いビジネスパーソンならば、ぜひとも押さえておきたいトレンドや話題をちょっと先取りして紹介したい。プライベートにビジネスに、ちょっとしたインスピレーションのネタとして、役立つハナシを探るコラム。


 ハイテクイノベーションの中心地とも言われる米国のシリコンバレーで2015年4月、次にヒットしそうなベンチャー企業を発掘するイベントが開催された。投資家から事業への出資を募るため、参加者であるベンチャー起業家が優勝を目指して競い合う。優勝者にはトロフィーの贈呈と投資家からの融資が約束される。

 シリコンバレーでは珍しくない光景かもしれない。だが、このイベントが他と違ったのは、優勝したのがテクノロジーとは何ら関係ないビジネスだったことだ。トロフィーと賞金を手にしたのは、「MATI Engergy(マティ・エナジー)」というお茶をベースにしたナチュラルなエナジードリンクだった。

 実はこれ、主催したのはグーグルなのだ。「グーグル・フォー・アントレプレナーズ」というプロジェクトの一環として2014年から始まったイベントなのだが、ふと素朴な疑問が浮かんだ。なぜ、グーグルが外部のベンチャー企業を発掘するイベントを開催しているのか。他で探さなくても、社内には世界中から集まった選りすぐりのクリエイティブな人材がいるのではないか。

 ここに激化する現在のビジネス環境で生き残るための「カギ」が隠されているようなのだ。というのも、どんな優れた企業でもクリエイティビティには限界があるからだ。グーグルですら例外でない。そして今、米国を中心にベンチャー企業への投資が盛んに行われており、ホットなトレンドになりつつあるのだ。

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