化粧品メーカーには真似できないアイスタイル独自のデータ戦略ポーター賞企業に学ぶ、ライバルに差をつける競争戦略(4/5 ページ)

» 2015年05月21日 08時00分 公開
[伏見学ITmedia]

顧客が商品と出会う場を

大薗: @cosme storeの成功によって、データを活用して店頭に品ぞろえすれば商品が売れるのを証明しました。このことで@cosmeのデータの価値が高まり、長期的に見れば広告の入稿にも繋がるというわけですね。

吉松: 極端なことを言えば、すべての流通チャネルを買収して、店舗の商品ラインアップは@cosmeのデータだけで決めるとしたら、メーカーはマーケティング費用をそこに流すしかなくなります。現実的には難しいですが、@cosmeのデータを価値化できればこうしたことも可能になるのです。

大薗: @cosme storeのユニークさは、1つには商品ラインアップが人気ランキングデータを反映していること、もう1つは通常の流通には乗らないような珍しい商品も店頭に並んでいることです。

吉松: 今までのメーカーの流通プロセスだと、最初はプラザや東急ハンズに並べて、売り上げ実績が出たらドラッグストアの一部店舗でテスト的に販売します。そこで成果が上がれば全国展開するという流れでした。今やその最初の一歩に@cosme storeを活用するメーカーが増えているのです。

 また、販売できない商品も、テスターを店頭に並べるというのが重要なのです。なぜなら顧客が比較検討できるからです。従来の小売の発想だと、商品が置いてあるけど販売できないというのは、在庫切れと同じで悪だとされてきました。一方で、当社では顧客がさまざまな商品と出会えることを望んでいると考えています。

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