汽笛一声「愛の出発式」、SLブライダルトレインの魅力杉山淳一の「週刊鉄道経済」(5/6 ページ)

» 2015年05月22日 08時00分 公開
[杉山淳一ITmedia]

 復路も地名駅で列車交換、ただし2分停車でトイレ休憩はなし。その代わりに抜里駅で10分ほどの停車時間が設定されていた。これは新郎新婦から地元の皆さんへ、感謝のサプライズ演出だ。新郎新婦から代表の「サヨばあちゃん」に花束が贈られた。

 この駅は別名「サヨばあちゃんの休憩所」。サヨばあちゃんは村の女性たちと独居老人を応援をしている。それがきっかけで地域に人の輪が生まれた。その拠点が無人駅の抜里駅だ。ブライダルトレインが走ると付近の人々がお祝いに駆け付ける。まるでお祭りだ。地域全体が新郎新婦の門出を祝う。乗りものを使った結婚式としてはクルーズ船も知られているけれど、この風景は鉄道ならではだ。

 新金谷駅到着後、出席者はプラザロコへ移動。団体客用ホールで新婦から両親へ手紙朗読、新郎新婦から両親への花束贈呈。日本旅行と大井川鐵道から、機関車に取り付けられていたヘッドマークが贈呈された。結婚式として締めるところはしっかり押さえて、出席者に引き出物が配布され、17時30分ごろに解散となった。

復路で抜里駅に停車。サヨばあちゃんに感謝の花束が贈られた 復路で抜里駅に停車。サヨばあちゃんに感謝の花束が贈られた
地名駅でトイレ休憩を兼ねて長時間停車。展望車側のテールマークは新婦がデザインした 地名駅でトイレ休憩を兼ねて長時間停車。展望車側のテールマークは新婦がデザインした

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