“ジャンクフードの聖地”で何が起きているのか? 食の浄化に目覚めた米国来週話題になるハナシ(1/3 ページ)

» 2015年05月28日 08時05分 公開
[藤井薫ITmedia]

来週話題になるハナシ:

 24時間365日、いまも世界のどこかでユニークで刺激的な話題や新しいトレンドが次々と生まれている。だが、大半は情報としてこぼれてしまっている。そんなメインストリームでない情報こそ、ビジネスで使えるネタが詰まっているのではないだろうか。

 そこで、情報感度の高いビジネスパーソンならば、ぜひとも押さえておきたいトレンドや話題をちょっと先取りして紹介したい。プライベートにビジネスに、ちょっとしたインスピレーションのネタとして、役立つハナシを探るコラム。


 米国では今、ナチュラル・オーガニック業界が凄(すさ)まじい勢いで成長している。

 Organic trade association(オーガニック・トレード・アソシエーション)によると、米国でのオーガニック食品の売り上げは、2014年に前年比11%増で過去最高となる359億ドル(約4兆3673億円)を記録した。そして、食品全体の売り上げに対して約5%を占めるまでになっている。ジャンクフードの聖地である米国で、いったい何が起きているのか。

 背景には、米国で注目されている「食の浄化」が影響していると言える。これまで自分たちが消費してきた「食」に対する不信感から、消費者がより「ナチュラル」でピュアなものを求めるようになっているのだ。

 このトレンドに敏感に反応したのは、言うまでもなくファストフード業界と大手食品企業だ。その中でも予想外の改革を発表したのが、経営不振が続くマクドナルド社。今後2年以内にメニューに使用するすべてのチキンを抗生物質を使用していない、よりナチュラルなチキンに変更する。マクドナルドといえば、米国で2番目に多くチキンを購入している企業だ。同社の計画が実行されれば、業界に与えるインパクトはかなりデカい。

 またフレッシュさが売りで成長著しいベーカリーカフェ・チェーン「Panera Bread(パネラ・ブレッド)」も、早々に食材の浄化に踏み切った。米国やカナダで約1900店舗を展開する同チェーンは、使用する食材から人工着色料、人工甘味料、人工調味料や防腐剤など150以上もの人工添加物をとり除く方針を発表している。

米国の消費者はより「ナチュラル」なものを求めるようになっている(写真と本文は関係ありません)
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