先週最も読まれた記事は「なぜ小さなコンビニが、セブンより下でローソンより上なのか」、次いで「電気シェーバー市場で、日立だけが『ロータリー』にこだわり続ける理由」、「なぜ今“昭和型”コーヒーチェーンが増えているのか」でした。
話は変わりますが、昨日「お菓子の新商品が、なかなかヒットしない理由」という記事をアップしました。スーパーやコンビニの棚をみると、お菓子コーナーは定番商品ばかり、新商品は定番の派生モノばかり。なぜこうした現象が起きているのか、お菓子勉強家で現在ローソンで活躍されている松林千宏さんに聞いてきました。詳しい内容については記事をご覧いただくとして、このコラムではお伝えできなかったやりとりを紹介します。
松林: ドイさん、オフィスでお菓子を食べる人が増えたのはいつごろからだと思いますか?
土肥: (ワタクシは)社会人になって20年以上が経っていますが、駆け出しのころからオフィスでお菓子を食べていたような。
松林: 会社によって違いますが、2000年ごろからなんですよ。
土肥: えっ、そんなことはないでしょう。もっと前から食べていましたよ。はっ、でも考えてみれば「お菓子を食べる=仕事をしていない」雰囲気が漂っていたような。チョコレートを食べながら仕事をしていると、上司から「甘いモノを食べる暇があったら、仕事をしろ!」と怒られていたかもしれません。
松林: でもいまは違いますよね。
土肥: 先ほど「2000年ごろから〜〜」と話されましたが、そのころに何があったのでしょうか?
松林: その昔、会社の同僚と一緒に甘いモノを食べることは、あまりありませんでした。出張から帰ってきた人がお土産を買ってきて、休憩時間にそれを食べるくらい。しかし、2000年ごろから個包装(商品を1つ1つ別々に包装すること)が増えてきたんですよ。個包装だと、隣の席に座っている人にもあげやすいですよね。「はい、どうぞ」って。そこからコミュニケーションがとれて、仕事がうまくいくようになった人もいるのではないでしょうか。
土肥: 自分の机の上に大きな袋に入ったお菓子をどーんと置くのは、「ちょっと無理……」という人も多いはず。個包装だと必要な分だけを机の上に置いておけばいいので、見た目も悪くない。また、大きな袋のお菓子を食べるときに、隣の人にあげるのはいいのですが、もらった人はすぐに食べなければいけない。もしくは、ティッシュをひいて後から食べる。自分のペースで食べることができなかったのですが、個包装によってそうしたちょっとした不満も解消されました。
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