この記事はフラナガン裕美子著、書籍『どの会社でも結果を出す「外資系エグゼクティブ」の働き方』(日本実業出版社)から一部抜粋、再編集したものです。
グローバル化が進むなか、「ここは日本だから……」という言葉はもはや通用しません。「どの会社でも上に行ける人」には、5つの共通点があります。
・行動法則1:「正しいワンマンスタイル」で人を動かしている
・行動法則2:世界基準の「リスクヘッジ力」と「決断力」を磨いている
・行動法則3:時間に支配されずに、自ら「コントロール」している
・行動法則4:「謙虚さ」と「プライド」を併せ持っている
・行動法則5:「柔軟性」を持ちながらも、「信念」はブレない
本連載では、数々の外資系企業で“モンスターボス”たちをサポートしてきた敏腕秘書が、数々のエピソードとともに世界中どの会社でも「結果を出す人」の共通点について紹介。日本企業のリーダーにこそ知ってほしい、世界基準のマネジメントのポイントをおさえます。
外資系エグゼクティブとはどんな人たちなのでしょうか? 「どの会社でも結果を出す人」の共通点を探る前に、そのパーソナリティーに迫ってみようと思います。
私のついた最強のモンスターの1人にイギリス人のボスがいます。彼との出会いはヘッドハンターからの1本の電話。当時、このヘッドハンターの紹介で別の会社への転職が決まっていた矢先のことでした。
「お願いユミコ、助けると思ってサクラで、ある面接を受けてほしい。雇い主はその会社で既に8人も秘書をクビにしていて、使える候補者を連れて来なければもう私に仕事をやらないと警告を受けてしまったの」
思えばそれが私の災難の始まりでした。お世話になっているヘッドハンターの頼みは断れません。それに「8人もクビにしているモンスターに会ってみたい」という、私の好奇心からの悪い虫が騒ぎ出しました。
面接の当日、部屋に現れたモンスターは優雅な身のこなしで手を差し出し、とっておきの低いキラーボイスでひと言、「ハロー」と言いました。ですが、面接が始まると飛んでくるのは鋭い質問や皮肉ばかり。そして、とどめに「私はね、はっきり言うが秘書には何も期待していない。誰も私を満足させられないからね」とニヤッと笑って言ったのです。
そのとき、「絶対にこのモンスターに、秘書の存在意義を分かってもらう!」と思ってしまったのが運のつき。あとから、私の話を聞いて慌てて止めようとするヘッドハンターを振り切り、このボスの元への転職を決めてしまいました。
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