携帯キャリアを乗り換えない理由は「手続きが面倒」「メールアドレスが変わるから」
携帯キャリアの乗り換えを考えたが、結局止めたという人は12%。また、新料金プランが「複雑で分からない」人は半数だった。ブランド総合研究所調べ。
2007年6月から11月までの半年間で、携帯キャリアを乗り換えた人は4.2%、乗り換えを検討している人の3.7%を合わせても、8%に達しなかった。一方で乗り換えを考えたものの、結局は止めた人が12.0%。その理由として「手続きが面倒」が最も多く32.4%、「メールアドレスが使えなくなる」が29.4%、「現在のポイントや特典が使えなくなる」が26.2%と続いた。
コンサルティング会社のブランド総合研究所は、「携帯電話の乗り換えに関する実態と不満」について調査した。インターネットによる調査で、16〜49歳の男女7万人が回答。調査期間は11月27日〜12月3日まで。
新料金プランが複雑で分からない人は5割
実際に携帯を乗り換えた利用者で、乗り換え前後のキャリアの比率を見ると、NTTドコモからauまたはソフトバンクに乗り換える人が多いことが分かる。NTTドコモは44.3%から13.0%に激減。一方、auは21.0%から39.9%とほぼ倍増、ソフトバンクは22.4%から31.1%に増加した。
NTTドコモへの乗り換えを検討したが、止めた人は「乗り換え費用が高い」「料金プランが安くならない」など、費用面での理由を挙げた人が目立った。auとソフトバンクへの乗り換えに至らなかった人は「手続きが面倒」「料金プランが安くならない」という回答が多かった。同社では「乗り換えの手続きの簡素化や、料金が安くなれば、乗り換えを促進させる可能性がある。一方で、乗り換えられないようにポイントや特典を充実させることが効果的」としている。
2007年秋よりスタートした「新料金プラン」(携帯の購入代金を高くし、基本料金や通話料を安くする)を望んでいる人は32.9%。従来の携帯の購入代金が安くなるプランを望む人の6.3%を大きく上回った。
しかし49.0%の人が新料金プランを「複雑でよく分からない」と回答。キャリア各社が新規契約や乗り換えを増やすには「シンプルで分かりやすい料金体系に改善し、選びやすいような仕組みが必要」と指摘している。
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