知られざる「プラチナカード」の世界:“セレブ向けカード”の実態とは?(2/2 ページ)
「プラチナ」「ブラック」といわれる最上位カードについて聞いたことがある人は多いだろう。しかし持っている人が極端に少なく、カード会社も積極的にPRしていないので、そのサービス内容はほとんど知られていない。プラチナカードとはいったいどういうものなのか? 取材で分かったことを紹介する。
ポイント交換賞品もラグジュアリー!
プラチナカード会員は、クレジットカードを非常にたくさん利用する人達なので、ポイントプログラムでたまるポイントも非常に多い。そこで、交換用賞品もプラチナカード専用のものが用意されている。例えば、アメックス・プラチナでは、過去にはポイントをフェラーリに交換した人もいたそうだ。それだけポイントがたまることもすごいが、それよりも何よりも、フェラーリを交換アイテムとして用意していることに、さすがと感じずにはいられない。他に、「宇宙旅行に交換できる」というのもアメックスのポイントプログラムでは有名な話だ。その一方ではヨドバシポイントへの即時交換という庶民的なサービスも提供しているあたりに、懐の深さを感じる。
以上、プラチナカードの特徴を紹介した。色々と話を聞いていると、さまざまな嗜好に対応した魅力的なサービスを提供するために、各社が工夫を重ねていることがよく分かった。実際、何かにつけてかなり細かいところまで気を遣った対応をしており、例えばレストランカタログやインビテーションDMなども、明らかに紙の質から違う。
ステイタスというのは、こんなちょっとしたところからも醸し出されるものなのだろう。おそらく、(筆者を含め)ほとんどの人には一生関わりのないサービスだろうが、取材していてとても面白かったことを告白しておく。
プラチナ・ブラックカード一覧
カード名 | 発行会社 | 年会費 | 取得方法 |
---|---|---|---|
The Class | ジェーシービー | 5万2500円 | JCBゴールドカード会員の中から独自審査の上招待 |
三井住友VISAプラチナカード | 三井住友カード | 5万2500円 | 三井住友VISAゴールドカード会員の中から独自審査の上招待 |
シティVISAプラチナカード | シティカード | 5万2500円 | シティゴールドカード会員の中から独自審査の上招待 |
アメリカン・エキスプレスプラチナカード | アメリカン・エキスプレス | 調査中 | アメックスゴールドカード会員の中から独自審査の上招待 |
セゾン・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード | クレディセゾン | 2万1000円 | Webサイトなどから申し込み |
SBIプラチナカード | SBIカード | 3万1500円 | Webサイトなどから申し込み |
ダイナースクラブプレミアムカード | シティカード | 10万5000円程度(編集部調べ) | ダイナースクラブカードの利用実績に応じて招待 |
アメックス・センチュリオンカード | アメリカン・エキスプレス | 36万7500円程度※(編集部調べ) | アメックスプラチナカード会員の中から独自審査の上招待 |
“インビテーションなし”で持てるプラチナカードとは?
本文ではプラチナカード取得の条件について「プロパーのゴールドカード会員の実績がある人の中から、カード会社が独自審査の上インビテーション」と説明した。
プラチナカードとはもともと“そういうもの”なのだが、実は例外的にインビテーションを待たずに、自分で申し込めるプラチナカードも存在する。上の表の中に「Webサイトなどから申し込み」と書かれているのがそれだ。
1つはSBIカードの「SBIプラチナカード」。国際ブランドはマスターカードで、年会費は3万1500円(家族会員1名までは無料)。20代でも申し込める。海外の空港ラウンジが使える「プライオリティ・パス」が利用でき、国内・海外旅行傷害保険は家族特約付きで最高1億円。カード素材にプラチナを使っているのもユニーク。
またSBIカードに共通する(プラチナに限らず)特徴として、ポイントに応じたキャッシュバック制度をとっていること、支払日・金額・口座を自分で指定できること、家族会員(ファミリーカード)が最大10枚まで発行できることなどがある。通常家族会員になるには「生計を共にしている」「姓が同じ」などの条件があるのだが、SBIカードのファミリーカードはそのあたりの条件がなく、家族でなくても家族会員にできるところが面白い。
もう1つが、クレディセゾンとアメリカン・エキスプレスの提携カードである「セゾン・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」。年会費2万1000円と、プラチナカードとしては破格の安さだ。筆者が知る限り最も安いプラチナカードである。
年会費は安くても、アメリカン・エキスプレスのプラチナカード向けサービス(コンシェルジュデスク、会員向け優待、ショッピングプロテクションなど)が使える上、レンタカーの「ハーツ No.1 クラブゴールド」会員資格、コナミスポーツクラブの会員資格(利用料のみ、会費無料)が付いてくるなど、付帯サービスは驚くほど充実している。また、セゾンカードの永久不滅ポイント対象になるほか、一般のセゾンカードよりポイントの換算率がいいのもうれしい。
こういったユニークなカードについては、別記事「誠世代のカード整理術(後編)」でも紹介しているので、そちらも参照してほしい。
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