十分な権限や賃金を与えられていないのに管理監督者とみなされ、残業代が出ない「名ばかり管理職」。この問題に対し「時間外手当を支給していない役職者は、管理監督者の要件を満たしており問題ない」とする企業が66.7%。一方で、時間外手当を支給していない役職者の中に「管理監督者の要件を満たしていない者がおり、問題視している」と答えた割合は20.7%に達していることが、労務行政研究所の調べで分かった。
企業の規模別に見ると、「問題視している」企業は20%前後で大きな差はなかったが、規模の小さい企業ほど「問題の有無がまだ確認できていない」とする傾向がうかがえた。
管理監督者に該当するか否かについては、以下の3つの点に照らし判断されることになる。(1)職務内容、権限および責任に照らし、労務管理を含め、企業全体の事業経営にどのように関与しているか(2)その勤務態様が労働時間などに対する規制になじまないものであるか(3)給与(基本給、役務手当など)および一時金において、管理監督者にふさわしい待遇がなされているか否か。
この3つの中で、どの点が“問題視”されているかを聞いたところ「管理監督者扱いだが、組織運営や採用などに関する権限・裁量が与えられていない」が最も多く85.4%、「出退勤などの裁量が与えられていない」「一般社員より相応に高水準な給与などが支給されていない」は31.3%で同率。このほか「一般常識としてみれば管理監督者の要件は満たしていると思うが、訴訟などになった場合は“名ばかり管理職”と判定されるリスクがある」といった回答もあった。
名ばかり管理職の解消に向けた取り組みを聞いたところ、「見直し要否について検討中」が56.3%で最も多く、「すでに見直しを行った」(18.4%)、「見直しを行う予定」(17.5%)という結果だった。規模別で見ると、従業員数1000人以上の企業では「見直し要否について検討中」の割合がほかの規模より7〜9ポイントほど高めとなった。
上場企業(新興市場の上場企業含む)3882社と、上場企業に匹敵する非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員数500人以上)349社の合計4231社、そのうち232社が回答した。調査期間は5月8日から7月4日まで。
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