3年前と今の自分、仕事に対する意識はどのように変わった?
仕事への意欲が「低くなった」と感じている人もいるはず。意欲が低下した理由は「賃金が低くなった」「仕事の達成感が感じられない」などが目立った。一方、仕事への意欲が「高くなった」理由は……? 労働政策研究・研修機構調べ。
「昔は一生懸命働いていたのに、今では“やりがい”を感じられなくて」といったビジネスパーソンもいるはず。3年前と比較して仕事に関する意識にどのような変化があったかを聞いたところ、「自分が行う職務分野への関心」(51.9%)や「職場での評価に対する関心」(30.2%)は高まっているが、「会社に対する忠誠心・帰属心」(16.4%)や「生活よりも仕事優先の意識」(12.9%)は低下していることが、労働政策研究・研修機構の調べで分かった。
男女ともに年齢が若くなるほど、仕事に対する意識は「高まっている」傾向にあり、男性では20代(40.8%)と30代(38.8%)で約4割だったが、40代(31.1%)で約3割、女性では20〜40代で約3割(32.0%、29.8%、28.5%)だった。
郵送による調査で、従業員数100人以上の企業で働く人7349人(男性66.7%・女性33.1%)が回答した。年代は20代が20.6%、30代が35.9%、40代が24.5%、50代が15.8%、60代以上が2.0%。調査期間は2007年12月5日から12月28日まで。
仕事に対する意欲、高まっている理由と低下している理由
仕事に対する意欲が「高まっている」(31.9%)と回答した人に、その理由を聞いたところ「仕事を通じて学べるものが多いから」が最も多く57.5%。以下「責任ある仕事を任されているから」(51.4%)、「仕事の達成感が感じられるから」(36.4%)、「職場の人間関係が良いから」(32.8%)、「適切に処遇されているから」(21.6%)と続いた。
一方、仕事に対する意欲が「低くなっている」(29.4%)と答えた人に、その理由を聞いたところ「賃金が低いから」が46.8%でトップ。次いで「仕事の達成感が感じられないから」(43.4%)、「評価の納得性が確保されないから」(35.6%)、「職場のコミュニケーションが円滑でないから」(24.2%)、「昇進に対する展望が乏しいから」(21.4%)だった。
転職したい理由は「今の生活を改善させたいから」
2007年の年収見込み額(税込み)別に見ると、年収見込み額が低いほど「仕事を通じて得られる満足感が低下している」割合が高くなる傾向があり、300万円以上500万円未満の人で「満足感が低下」しているのは41.3%。逆に1000万円以上では29.0%だった。
今後、どのような職業生活を送りたいか、と聞いたところ「現在の勤め先で働き続けたい」が54.7%、「分からない・成り行きに任せる」(22.1%)、「転職したい」(14.3%)、「独立したい」(3.8%)という結果に。「転職したい」「独立したい」と回答した人は、なぜそのように考えているのだろうか。理由を聞いたところ「今の所得や生活状況を改善させたいから」(51.5%)がトップで、「今の会社では働きがいを感じることができないから」(45.7%)、「今の会社では自分の専門能力、資格、特技が生かせないから」(21.3%)という順になっている。
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