3年では辞めない? 新入社員の仕事観に変化
空前の“売り手市場”だった今年の新入社員は、どんな仕事観をもっているのだろうか? 3年前に最も多かった「専門職を目指す」人は減少し、「管理職クラス」まで出世したいと考える人が増えているようだ。キリンホールディングス調べ。
景気回復などを背景に“売り手市場”だった新卒採用だが、今年の新入社員はどんな仕事観を持っているのだろうか? 最も多かったのは「入社が決まっている会社でずっと働きたい」で52.7%、2005年の調査と比べ18.1ポイントも増えていることが、キリンホールディングスの調べで分かった。
一方、2005年の調査で最も多かった「仮に転職しても自分のやりたい仕事をしたい」は、15.5ポイント減少した。また、どの位まで出世したいかでは「専門職としてエキスパートを目指す」がトップで24.3%だったが、同−3.2ポイント。逆に「管理職クラス」は同6.2ポイント増え、22.0%だった。「空前の売り手市場で複数の内定を獲得した人も少なくないが、入社した会社で確実に地位を向上させようとする傾向がある」(キリンホールディングス)と分析している。
インターネットによる調査で、全国の20歳以上の男女843人(男性263人、女性580人)が回答した。調査期間は2月28日から3月20日まで。
今年の新入社員は“カイシャ人間”?
新入社員は仕事以外にどんなことをやってみたいと考えているのだろうか。「スキルアップを目的とした自己啓発」が最も多く60.3%、次いで「資格などの取得」(55.4%)、「社会人としてのマナーを身に付ける」(53.9%)など、「自己研鑽(けんさん)の努力を忘れない堅実な姿勢がうかがえる」(同)。また最近の日本の景気については「景気回復は一段落した」(55.8%)「不景気になりつつある」(31.8%)と、9割近くが景気の減退を感じているようだ。
社会人になると飲酒の機会が増えると思うが、どんな人との飲み会を優先させたいと考えているのだろうか。2007年の調査と比べ、「会社関係を優先させる」人は7.1ポイント増の63.7%、中でも「上司・先輩・同僚など会社関係の人すべてを優先」と回答した人は6.5ポイント増の43.5%。逆に「恋人を優先する」は、同−2.2ポイントで7.5%。彼氏や彼女よりも仕事関係の人との飲み会を優先させる今年の新入社員は、ひょっとして“カイシャ人間”なのかもしれない。
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