Edyの利用可能店舗数、8万カ所を突破――FeliCa決済利用状況(9月版):一番使われているFeliCa電子マネーは?
前払い式の電子マネーに比べ、ユーザーを増やしにくいFeliCaクレジット。しかしiDの会員数は好調に伸びており、900万人目前だ。
FeliCaを利用した各種決済方式(前払い電子マネー、クレジット)の利用状況について掲載している本記事。今回は9月末時点で集計した結果をお伝えする。なお前回に続き、福岡エリアで5月にスタートした西鉄のIC乗車券「nimoca」(参照記事)についても、流通枚数と利用可能店舗数を掲載している。
Edyの利用可能店舗数(利用カ所数)、8万店を突破
以下の表では、FeliCaを利用した決済方式のうち、電子マネー(前払いでお金をチャージし、そこから減算して利用する)の利用状況をまとめている。以下、各社の累積発行数と月間利用回数を見ていこう。
前回(7、8月分)同様、累積発行数(PASMOとnimocaは流通枚数)がもっとも多いのはビットワレットの「Edy」で、9月の数字は4320万枚。このうちそれぞれ840万件はおサイフケータイで利用されている。
Edyは9月末で利用可能店舗数8万店を超えた。これは他社の決済方式と比べて最も多い。JR東日本では「Suica」の利用可能店舗数として、自社のSuica加盟店に相互利用できるICOCA、PASMOの加盟店を加えて5万4350店と発表しているが、その数字と比較してもEdyの利用可能店舗数が多いことが分かるだろう。
本記事では他社との比較上「利用可能店舗数」と表記しているが、今月からビットワレットでは「利用可能カ所数」という表現を用いている。これは今後、Edyを採用する自動販売機が急増することを受けてのことだ(参照記事)。
発行枚数/流通枚数に着目すると、PASMOは8月の1001万枚から9月は1028万枚と増加している。また月間の利用件数を見るとPASMOは8月の794万件から877万件と80万件以上増えている。
5月18日からサービスを開始したばかりのIC乗車券nimocaも順調に利用者を増やしている。利用可能店舗数は582店とまだ少ないが、女性ユーザーが圧倒的に多く、乗車券よりも電子マネー利用が活発なのがnimocaの特徴である(参照記事)。福岡県内のローソンで対応店舗を増やしたり(参照リンク、PDF)、タワーレコード福岡店で取り扱いを開始したり(参照リンク、PDF)と、エリア内で利用できる場所を増やす方針だ。
サービス名 | 事業者名 | 発行枚数(おサイフケータイ分) | 利用可能店舗数 | リーダー/ライター台数 | 月間利用件数 | いつ時点の数字か | 備考(※) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Edy | ビットワレット | 4320万枚(840万) | 8万店※ | 非公表 | 2400万件 | 9月末 | 店舗ではなく自販機を含む「利用可能カ所数」で発表、Edy対応Webサイト約5000はここに含まない |
ICOCA | JR西日本 | 398万枚(なし) | 7300店※ | 非公表 | 83万3000件 | 9月末 | Suica加盟店を引いた数 |
nanaco | セブン&アイHLDGS | 631万件(98万) | 2万0962店※ | 非公表 | 2900万件 | 9月末 | セブン-イレブン1万2071店、デニーズ541店、イトーヨーカドー175店を含む |
PASMO | PASMO協議会加盟事業者 | 1028万枚※(なし) | 7406店 | 非公表 | 877万件 | 9月末 | 累積発行枚数ではなく、流通枚数なので、回収したPASMOは含まれない |
Suica | JR東日本 | 2615万枚(125万人) | 3万9640店※ | 9万8790台 | 2424万7000件※ | 9月末 | 相互利用できるPASMO、ICOCA加盟店を加えると5万4350店。利用件数は発表数字の3387万件からPASMO、ICOCAを引いて算出した数で、相互利用できないnimocaの利用件数(非公表)を含む |
WAON | イオン | 590万枚(非公表) | 2万6000店 | 非公表 | 1000万件 | 9月末 | − |
nimoca | 西鉄 | 12万2687枚※ | 582店 | 非公表 | 非公表 | 9月末 | 累積発行枚数ではなく、流通枚数なので、回収したnimocaは含まれない |
iD会員数、900万人目前
下表では、後払い式のFeliCa決済サービスの利用状況をまとめた。モバイル決済推進協議会(MOPPA)は今月から、QUICPayの集計を毎月から3カ月ごとに変更することを明らかにしている。そのため今回も8月末の数字を掲載する。
後払い式の中で最も会員数が伸びているのは、NTTドコモと三井住友カードが推進するiDで、毎月30万人以上のペースで会員が増えており、900万人目前となっている。おサイフケータイの利用者(DCMX/DCMX mini)数は10月31日に発表予定なので、現在は暫定的に6月末の数字を入れている。
発行会社数で変化があったのはiDのみ。iDの発行会社数は、先月より1社増えて66社となった。内訳は、関東つくば銀行と荘内銀行が増え、ローソンCSカードがiDの扱いをやめたためだ。
サービス名 | 事業者名 | 会員数(おサイフケータイ分) | 利用可能店舗数 | リーダー/ライター台数 | 月間利用件数 | 発行会社数 | 備考(※) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
iD | NTTドコモ、三井住友カード他 | 897万人(644万人) | 非公表 | 38万台 | 非公表 | 66社 | 9月末の数字。携帯ユーザーはDCMX/DCMX miniユーザー数(2008年6月末)から推定 |
PiTaPa | スルッとKANSAI | 118万9000人 | 1万8000店超 | 非公表 | 2700万件 | 19社 | 9月末の数字 |
QUICPay | JCB、トヨタファイナンス他 | 435万人 | 非公表 | 15万1000台 | 非公表 | 調査中 | 8月末の数字 |
VISATOUCH スマートプラス |
三菱UFJニコス※ | 69万人 | 非公表 | 4万9000台 | 非公表 | 61社 | 9月末の数字(発行会社数は三菱UFJグループとして発行している分) |
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