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アインシュタインが生まれた街にある、エコすぎるオフィスビルとは?:欧州エコビジネス最前線(2/2 ページ)
ドイツ南部のウルム市にある世界最大のエコオフィス「エナゴンビル」。ある財団が究極のエコを追求し建設した賃貸のオフィスビルとはどんなものなのだろうか?
高い満足度
オフィスビルには省エネを突き詰めながらも快適な室内環境が求められる。ずいぶん「都合のいい理想」ではあるが、快適でなければ借り手が見つからないのも現実。
建設コストがかさむためエナゴンビルの賃貸料は月12ユーロ(1480円)/平方メートルと市内の相場より3割以上高いが冷暖房・空調費は月0.75ユーロ(92円)/平方メートル以下に保証されており、原油・天然ガス価格の高騰が続けばコストパフォーマンスは確実に向上する。
当初は借り手探しに苦労したものの現在の入居率はほぼ100%。人に優しい空調と開放的で明るい屋内空間に入居者の満足度は高い。
また、エナゴンビルへの入居は企業イメージの向上にもつながる。入居する企業はハイテク関連でもとりわけ来客の多い部門であり、環境保全が企業の責務とされる今日、エコオフィスビルに入居することはシンボル的な意味を持つ。
ソフトウェアAG財団の設立者は家族に身体障害者がいることもあり、福祉と環境保全に強い関心を抱いているそうだ。先進的ではあるがまだ成熟していない技術を駆使し、採算性が不透明なエナゴンビルをパイロットプロジェクトとして建てたのにはそういう背景がある。
省エネ、快適さ、そして企業のイメージアップ。今のところ、エナゴンビルクラスのエコオフィスビルは建設費が高いため主流になってはいないが、10年後あるいは20年後にはオフィスビルの標準を大きく変えているかもしれない。
オフィス内部。エナゴンビルの管理・運営・賃貸業務・マーケティングはPEGが請け負っている(左)、開放感のある中央吹き抜け。建物内のオープンスペースになっており、パーティーやコンサートにも使用される(右)
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