経済動向を不安視? 就活は大手企業よりも“堅実なトップ”志向へ
2010年3月卒業予定の大学生はどのような就職活動を行っているのだろうか? ディスコの調査によると、約7割の学生は志望業界を決めているものの、激変する経済情勢を受け、大きく変化しているようだ。
景気悪化のため“就職氷河期”に突入するのでは? といった不安の声も出ているが、2010年3月卒業予定の大学生はどのような就職活動を行っているのだろうか?
新卒採用情報などを提供するディスコによると、約7割の学生は志望業界を決めて活動しているが、昨今の経済情勢を受け、学生の志望業界が大きく変化していることが分かった。同社は2008年11月に学生の志望業界を調査しており、2位だった「商社(総合)」は8位に、また「自動車・輸送機器」も12位から18位へと順位を下げた。商社については資源需要が急速に落ち込んだこと、自動車・輸送機器は大幅な人員削減などが、順位を下げた要因と見られる。
2月1日現在、学生によるエントリーシート提出の割合は71.5%と、同社が実施した昨年同時期の調査と比べ10ポイントも上回った。また面接や筆記試験を受けた学生の割合も前年よりも増えたが、エントリシートを提出した学生の平均提出社数は全体で5.4社と、同1.0社の減少。このことから「提出や選考の機会が前年より減少していることが推測できる」(ディスコ)
また、就職活動ではどんなことを重視しているのだろうか。「業界トップの企業」(21.3%)または「大手企業」(30.6%)と回答した学生の割合(合計)は、前年とほぼ同じ。ただ「業界トップ企業」が増え、「大手企業」が減っていることから、「かつての売り手市場を背景とした楽観的な大手志向と、現在の経済動向を不安視し、“堅実”なトップ志向という違いが表れている」(同)
インターネットによる調査で、2010年3月卒業予定の大学3年生1028人が回答した。調査期間は2月1日から2月9日まで。
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