深まる不況の影響を受け、ボーナスに加えて給与もカット、さらには出張費の減額まで……。中には、ビジネスホテルの宿泊費を自腹で支払っている人もいるのでは。「カプセルホテルに泊まれば安いけど、狭いので疲れがとれない」といった声が聞こえてきそうだが、そんな悩みを抱えている人にとって、新しいタイプのカプセルホテルが大阪で誕生する。
ファーストキャビンは4月10日、キャビンスタイルのカプセルホテル「FIRST CABIN」をなんば駅の近くにオープンする。客室は「コンパクト&ラグジュアリー」をコンセプトに、飛行機のファーストクラスをイメージ。客室の広さは約2.5帖(4.2平方メートル)と、寝るだけのスペースしかないカプセルホテルと比べ、やや広め。また客室には液晶テレビのソニー「ブラビア」32インチを設置しているほか、LAN設備が完備されている。ちなみに男性の従業員はパイロット、女性はキャビンアテンダントをそれぞれイメージした制服を着用している。
「32インチのテレビが設置できるくらいのスペースであれば、カプセルホテルというより『ビジネスホテル』なのでは?」と、疑問に感じないだろうか。実は旅館業法によると、カプセルホテルは簡易宿泊所扱いとなり、客室にカギを設けてはいけないのだ。大部屋の中にいくつもの部屋(客室)がある、といったイメージといえば分かりやすいかもしれない。なのでFIRST CABINのカプセルホテルも客室にカギはなく、アコーディオンカーテンで仕切っているだけなのだ。
また「部屋にカギがなくて不安」という声を受け、FIRST CABINの宿泊客は携帯電話またはPCからインターネットを使って会員登録をし、利用時間などを予約しなければならない。そして携帯電話に「鍵アプリ」をダウンロードすることで、予約した時間帯のみカプセルホテルに出入りすることができる。
ターゲットは30代〜40代のビジネスパーソン
「出張の宿泊費が削られた」「お酒を飲んで、終電に乗れなくなった」といったビジネスパーソンに強い味方のカプセルホテル。多くのカプセルホテルでは宿泊費を1泊3000円台に設定しているが、客室は寝るスペースと小さなテレビだけ。一方、FIRST CABINの宿泊費は4800円とやや高めだが、「もう少し広い部屋でゆっくりしたい」といった人に向いているのではないだろうか。
ファーストキャビンでは今後、空港や高速道路サービスエリアの近くなどに「トラックのドライバーなどが、仮眠できるカプセルホテルを考えている」(担当者)という。客室をやや狭くし、価格も抑えることから、名前はファーストクラスキャビンではなく「ビジネスクラスキャビン」とするそうだ。
会社の業績低迷、給与カット……など暗いニュースが続いているが、出張のときくらい、ちょっとした“贅沢”を楽しんでみるのはいかがだろうか?
施設概要
客室:男性用99室、女性用12室ですべてファーストクラスキャビン
共有施設:大浴場、サウナ、シャワーブース、マッサージ、ラウンジ、コインランドリー(男性のみ)、チャットルーム(女性のみ)
価格:宿泊4800円、デイユース900円/1時間
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