ニュースサイトはライブ中継の夢を見るか?:誠 Weekly Access Top10(2009年6月6日〜6月12日)
静かに盛り上がりつつあるtwitterでの講演ライブ中継。ニュースサイトでも専用コーナーを設けて、シンポジウムなどでのtwitterライブ中継を取り上げてみたら面白いかもしれない。
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先週最も読まれた記事は「あの早稲田でも人が集まらない……揺れる受験ビジネス」。2位は「合コンでモテる人の部屋には『○○』がある」、3位は「彼女・奥さんと同じベッドで寝ていますか?」が続いた。
twitterでの生中継
「週刊誌のタブー「コンビニ」に挑戦した『週刊金曜日』……次なるターゲットは? (後編)」が9位と、今週もトップ10にランクインした「週刊誌サミット」のリポート。週刊誌サミットにはメディアだけではなく、一般の参加者も多くいたのだが、こうしたイベントの記事を書くことは正直怖い。ブログにイベントの詳細を書く参加者も多いので、その内容より劣った記事を書いてしまうと、「給料をもらって記事を書いているのにこの程度か」と思われてしまう可能性があるからだ。
最近では「tsudaる」という言葉も登場。「tsudaる」とは「講演やシンポジウムの内容をtwitterでライブ中継する」ことを意味し、それを頻繁に行っているジャーナリストの津田大介さんから名付けられた用語。津田さんは週刊誌サミットでもライブ中継を行っていて、多くの人が目にしたようだ。
津田さんのほかにもひっそりとやっている人は多いのだが、個人的にはプロ野球の一球速報のように、講演のtwitterライブ中継を取り上げるニュースサイトが出てきたら面白いのではないかと思う(朝日新聞ではtwitterでサッカーのライブ中継をやっていた)。もちろん、現場で急いでタイピングしているために、内容が不正確になる部分はあるだろうが、それを前提とした上でも「読みたい」というニーズは少なくないだろう。ニコニコ生放送などでも、twitterライブ中継をどこかに表示するようにすれば、途中から動画を見た人にも経緯が分かりやすくなって満足度が上がるのではないかと思う。
ただ、実際に講演などで試してみると分かると思うのだが、twitterライブ中継は極めて難しい。聞きながら文字に起こすタイピング能力が問われるだけでなく、講演内容をtwitterの制限字数である140字にまとめるために話者の言葉を理解する能力が必要とされるからだ。講演で聞き慣れない単語が出てきて、思考がフリーズした経験がある人は少なくないはず。自分がある程度得意とする分野ではないと、厳しいのではないかと思う。
ニュースサイトはWebという優れたインフラを持ちながら、記事の体裁が雑誌や新聞とそれほど違わないように筆者は時々感じる。Webならではの書き方ということでは、動画を活用したり、参照記事として他サイトに積極的にリンクを張ったりといったことがすぐに思いつくが、(特に新聞社系ニュースサイトでは)そういったことはあまりされていないのが現実だ。
筆者もそうなのだが、活字媒体の記者を経験してきた人が多いので、「今までのやり方から外れることは面倒だからしたくない」という気持ちがあるのかもしれない。今までもチャットや掲示板があったので、twitterライブ中継と同じようなことは実はできたはずなのだが、そうなっていないのは業界に保守的な気質があるからなのかもしれない(もちろん、必要とされていないことが理由かもしれない)。
ちなみにBusiness Media 誠もtwitterにアカウントを持っており、よくつぶやいているので、フォローしていただけるとありがたかったりする。
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