富士経済は11月4日、プライベートブランド(PB)食品調査結果を発表、2009年のPB食品10カテゴリー59品目の市場規模は前年比21.6%増の2兆3380億円、ナショナルブランド(NB)を含めた全体市場の8.8%を占めると見込んでいることが分かった。
富士経済では、「製造する国内トップメーカーの名を前面に打ち出す『ダブルブランド策』を採り、共同で新商品開発に取り組む例で、成功するケースが出てきている。従来は無名メーカーが製造しているからこそ、PBは安価で購入できるという消費者の意識が強かったが、メーカー名をあえて提示することで、消費者に安心感をもたらしている」とコメントしている。
カテゴリー別に見ると、最も伸びると見込んでいるのは調味食品で、前年比34.7%増の1939億円。「即席麺のPBは低価格で人気を集め、イオンの『ベストプライス by TOPVALU』の80円を切るカップ麺の出現は市場全体に大きな影響を与えている」(富士経済)
2番目に伸びると見込んでいるアルコール類は、前年比27.6%増の824億円。「売り上げの約半分は焼酎で、売れ筋は4リットルや2.7リットルの大容量サイズ。また、チューハイ・カクテルは100円未満で販売している店舗が多く、NBの特売時でも価格差が20円程度あり、一定の需要を確保している。ビール類はイオンの『麦の香り』やセブン&アイホールディングスの『ザ ブリュー』が発売されたことで急拡大している」(富士経済)
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