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コラム

ユニクロが作り上げた“一人勝ち”の仕組み(3/3 ページ)

日本全体が不景気の中で、ほとんど一人勝ちと言えるのがユニクロ。ユニクロといえば、そのビジネスモデルやマーケティングが注目されるが、その偉大なる変革者としての姿を見落としてはいないだろうか?

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ユニクロは洋服を買う意識を変えた

 ユニクロの大きな特徴が2つあると思う。アンケート結果にあった通り、シンプルなデザインと豊富なカラーバリエーションだ。これがユニクロのすごさの中核である。

 シンプルなデザインとは、誰にでも合いやすいということ。より正確に表現するなら、誰が着てもまず大きな違和感が出ない、ということだろう。着る側からすれば、これは大いなる安心感につながる。すなわちユニクロで買う限り、その服が合うかどうかをあまり悩まずに済む。

 だから、ユニクロ以前なら自分の普段着など自分で買ったことなどあまりなかったか、あるいは近所のスーパーで何となく似合ってないんだけれど仕方ないかと我慢していた人たちが、ユニクロで自主的に自分の服を買うようになった。どれを買っても似合う安心感に支えられて服を買うのは、とても楽しい経験となるのだ。

 しかもユニクロのお店はカラフルで目に心地よく、混んではいるが店員さんは元気良く愛想も良くて、何となく居心地の良い空間となっている。いろんな色が安く手に入るのなら、ちょっといつもとは違う色を買ってみようかという気持ちにもなる。

 このカラーバリエーションの豊富さが、決定的なポイントとなっているのだと思う。なぜなら、ユニクロ以前には、カラーコーディネイトを楽しむ(楽しめる)人は、すごく限られていたから。ユニクロ以後は「いろんな色を着て楽しんで良いんだ」という開放感を多くの人が感じるようになった。

 しかも徹底的に安いのだ。そして品質もそこそこ優れているのだ。シンプルなデザインとカラーバリエーションを安価に楽しめるファッションの世界はユニクロ以前には存在しなかった。それをユニクロが1社で創りあげてしまったのだから、一人勝ちになって当然だと思う。(竹林篤実)

 →竹林篤実氏のバックナンバー

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