日本政府観光局は1月25日、2009年の訪日外国人数の推計値を発表、前年比18.7%減の679万人となったことが分かった。訪日外国人数が減少したのはSARSが流行した2003年以来6年ぶりで、減少率が2ケタを記録するのはプラザ合意による円高が進んだ1986年以来23年ぶりのこと。
訪日外国人数を国・地域別に見ると、首位の韓国が前年比33.4%減の158万7000人と大幅に減少した。日本政府観光局では「ウォン安、新型インフルエンザ、景気低迷に見舞われたことが原因。しかし、日本の観光名所(秋田市、田沢湖、乳頭温泉、男鹿半島など)を舞台にしたテレビドラマ『アイリス』が放映されたことで、11月以降は韓国人の個人旅行者や団体ツアー客が多数訪れた」とコメントしている。
2位の台湾は前年比26.3%減の102万4000人、4位の米国も同8.9%減の70万人、5位の香港も同18.3%減の45万人と振るわなかった一方、3位の中国は2009年7月に訪日個人観光旅行が解禁されたこともあり、同0.6%増の100万6000人とわずかながら増加した。
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