富士経済は3月18日、「スイーツ市場のチャネル別需要分析調査 2010」を発表、2009年のスイーツ市場は小売市場が前年比1.0%減の8595億円、外食市場が同6.0%増の6409億円となったことが分かった。同社では「スイーツブームは続いているものの、景気後退の影響で全般的に消費者の節約志向が広がっており、比較的単価の低い商品に人気が集まっている」とコメントしている。
各市場をチャネル別に見ると、小売市場では最も市場規模の大きい百貨店市場が前年比4.1%減の3560億円と大きく落ち込んだ。景気後退による来店客数の減少に加え、贈答用のイメージが強く、高価格商品の多い和菓子の不振が影響したようだ。
一方、低価格商品が比較的多いことから、コンビニ市場は同5.3%増の971億円、量販店市場は同1.2%増の1866億円と好調だった。また、交通関係のチャネルでは、旅客数の減少などで駅ナカ・駅ビル市場と空港売店市場が前年割れしたものの、高速道路売店市場は“休日1000円”効果で同2.7%増の425億円と増加している。
外食市場ではスイーツ専門店市場が前年比8.9%増の4622億円と大幅に増加。「福岡を発祥とする『白いたい焼き』のヒットを契機に、全国的な“たい焼きブーム”となっている」(富士経済)ことから、たい焼きチェーン市場は同397.4%増の388億円と急成長しており、市場全体の成長をけん引している。
一方、主要外食店市場は同1.0%減の1787億円と前年割れ。「外食業態自体の不振に加えて、ファミリーレストランや居酒屋ではデザートを注文しなくなったり、単価の低い品を注文するケースが増えるなど客単価の減少も目立っている」(富士経済)ことも影響しているようだ。
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