さまざまなLED照明の提案
このような大きなうねりの中、LED Next Stage 2010ではLED照明メーカーが、白熱電球を代替するLED電球はもとより、ベースライト、シーリングライト、ダウンライト、スポットライト、屋外灯、水中灯など、多種多様なジャンルのLED照明器具を展示。また、さまざまな色度(色温度)を作れるという照明用LEDの特徴を生かした照明の提案なども行われていた。
三菱電機照明/三菱電機オスラムのブース天井に組み込まれた色温度可変LEDラインライト(参考出品)。3000K相当から5000K相当まで色温度を変化させることができる。飲食店舗などで、時間帯や料理内容などに合わせて店内の色調を変えるといった使い方ができる
LED照明単体だけでなく、3次元空間の照明設計手法と組み合わせて省エネ性、経済性を訴求していたのがパナソニック電工のブース。同ブースでは、従来照明(蛍光灯+ハロゲンランプ)と、新たな評価指標である「Feu」に基づいて照明設計したLED照明を採用した仮想ファストフード店舗をブース内に構築し、照明器具の台数や消費電力などを比較していた。
Feuは、人が実際に感じる明るさ感に近づくように3次元空間の明るさ感を定量化し直した同社独自の照明評価指標。従来照明、LED照明、さらにFeu設計を組み合わせたLED照明では、人が感じる明るさ感は同じであるにもかかわらず、必要な照明器具台数は19台:19台:13台、消費電力は820ワット:270ワット:240ワット、イニシャルコストは27万3000円:39万3000円:33万円で、従来照明からリニューアルした場合の償却年数は、LED照明に置き換えた場合は1.3年。LED照明+Feu設計に置き換えた場合はさらに短縮され、0.6年で償却できるという。
照明用LED関連では、シチズン電子が色度のばらつきを低減させた照明用白色LEDの量産技術をアピール。照明用白色LEDの色度は、発光素子、蛍光体、封止樹脂など、製品を構成する複数の要素の掛け合わせで決まるため、同一ロットの製品でも色度にばらつきが出てしまう。このため通常は、要求された仕様の範囲内に収まるように、出荷前に細かく選別する必要があるという。
同社はこの課題を、基礎研究の積み重ねと精密加工技術、製造技術の革新によって克服。従来比で約9分の1に相当するマクアダム楕円 3STEPの色度範囲での量産を実現し、出荷前の選別を不要にしたという。
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