クリーン発電&スマートグリッドとEV開発技術にフォーカス――「CSF 2010」「EVEX 2010」リポート(3/3 ページ)
7月14日から17日までの3日間、横浜のパシフィコ横浜で「CSF クリーン発電&スマートグリッドフェア 2010」と「EVEX 電気自動車開発技術展 2010」が開催された。両展示会の模様をリポートする。
EV/PHV用充電器や充電関連システムを多数のメーカーが展示
EVEXエリアで数多く展示されていたのがEV/PHV(プラグインハイブリッド自動車)用充電器や充電関連システム。展示していたのは、東京電力、九州電力、日本宅配システム、ハセテック、シンフォニア テクノロジーなどだ。
東京電力のブースでは高岳製作所製急速充電器が展示されていたほか、同社がEV/PHVメーカーと共同開発した急速充電器−EV/PHV間通信規格「チャデモプロトコル」など、EV/PHV普及に向けた同社の取り組みを紹介。日本宅配システムは、同社の集合住宅向け宅配ボックス用カードで充電操作や課金管理が行える集合住宅向けEV充電インフラ「i-CHARGER」を展示していた。なおEV/PHV用充電器は、CSFエリアの東芝や日立製作所グループなどのブースでも展示されていた。
このほかEVEXエリアでは、ヤマハ発動機が7月14日に発表した原付一種(第一種原動機付自転車)クラスの電動二輪車「EC-03」を展示。EC-03は100ボルトの家庭用電源で充電/モーター駆動できる“スマート・ミニマムコミューター”で、従来モデル比で発進〜低速域のトルク特性を10〜15%高めたパワーユニットと、容量14アンペア時、総電力量700ワット時の三洋電機製リチウムイオン電池システムを搭載しており、満充電で43キロ(時速30キロ定地走行時)走行できる。
東京電力のブースでは、EV/PHV関連のほかに、同社がヒートポンプに並ぶ省エネ技術と位置づけているIH(Induction Heating:誘導加熱)にフィーチャーした展示や「IHが実現するプロセス・イノベーション」と題したステージデモも行われていた。
ステージデモでは、IHには、(1)加熱効率が高い(省エネ)、(2)高温・急速加熱が可能、(3)局所加熱/選択加熱が可能――の3つの特徴があるとし、その特徴を生かした装置として、被塗装物側から加熱するIH塗装乾燥装置や、蒸気温度数百度の過熱蒸気を蒸気ボイラーを介することなく生成できるIHSS(誘導加熱式過熱蒸気発生装置)などを紹介。IH塗装乾燥装置は従来の熱風乾燥装置とは異なり、塗料を内側(被塗装物側)から硬化させるためピンホールや泡の跡がない高品質な塗装ができることや、IHSSは滅菌や焼成・焙煎、乾燥、脱脂・有機物分解などに有効な過熱蒸気を短時間に省エネルギーで生成できることを解説し、IHはプロセスイノベーションに有効であるとアピールしていた。
関連記事
- もう1つの電気自動車、燃料電池車
CO2問題、エネルギー問題を踏まえ、急速に普及してきたハイブリッドカー。次の飛躍はやはり電気自動車なのか? 実はもう1つの選択肢として研究開発が進んでいる自動車がある。水素を燃料として使う燃料電池車だ。その魅力と課題をFC EXPOの講演から探る。 - 電気自動車と馬車しか走れない――ある観光都市の交通政策
スイス・マッターホルン山麓にある「ツェルマット」は高級リゾート地として知られているが、市街地を走れるのは電気自動車(EV)と馬車のみ。最新技術のEVと前時代的な馬車が混在する街とは一体どのようになっているのか。現地をリポートする。 - 何万円までなら電気自動車を買いますか?
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.