名前を覚えろ! 名前を呼べ!――政治家の支持者獲得手法から学ぶ(2/2 ページ)
より多くの支持者を獲得するために、「人の名前を覚え、相手に重要感を持たせる」といったことを第一義的に考え、日頃から実践している政治家は多数います。プロジェクトマネージャーも、関係者の支持を必要とするという点では共通であり、この支持者獲得手法を見習うべきです。
支持者獲得に奔走する政治家を見習え
支持者を集めるという点で最もシビアな職業といえば、政治家と言えるでしょう。
政治家は、言うまでもなく選挙が大事。1人でも多くの有権者の支持を取り付けることが重要である。その有効策として、まず 「人の名前を覚え、相手に重要感を持たせる」といったことを第一義的に考え、日頃から実践していた政治家は多数います。例えば、フランクリン・ルーズベルト、ナポレオン3世、田中角栄。特にナポレオン3世は、「紹介されたことがある人は全員覚えている」と公言していたとのことです。
でも、支持者獲得策として「人の名前を覚え、相手に重要感を持たせること」は、ホントに有効なのでしょうか?
それが有効なのです。なぜなら、人は論理ではなく、感情の動物だからです。
つい先日、民主党が代表選を終えました。菅さんの圧勝でしたね。「政治とカネ」問題を抱えた小沢さんに対する世論の反感が大きかったですよね。私もその1人。
しかし、例えば、この選挙の期間に、私の街に小沢さんが訪れたとします。ひょんなことから、たまたま道端で小沢さんと少しの時間、お話をする機会があったとします。この時点で、「小沢さん、結構 イイ人だったよ!」という心情になる。で、次の日、また偶然お会いする。その時に「アカヒデさん、昨日はどうも!」なんて声をかけられたら、「あの小沢さんが俺の名を……」とたちまちファンになってしまいますよね。
かなり飛躍した空想になりましたが、要は人間は論理ではなく感情の動物なのです。政策やリーダーシップ能力、人間性など、頭でいろいろな要素をロジカルに考えて「小沢さんより菅さんが首相にふさわしい」という考えになっていたとしても、こういった重要感を与えられることで、「無条件に好き/応援する」という感情が強まり、往々にして それが勝ってしまうものなのです。
こういった「名前を覚える/呼ぶ」といった行為は単純で地味ですが、支援者獲得に向けて確実に有効な手法と言えます。プロジェクトマネージャーや事業マネージャーはぜひ見習ってほしいです。
人は自分の名前に大きな誇りを持っている。
人は異常なほど自分の名前に誇りを持っているそうです。
いわゆる成功者は、よく多額の寄付をしたり、後進国に学校を寄贈したりとかしますね。これらは、大変意義のある社会貢献活動であり、「さぞかし達観した立派な方であるのでは」と思いますよね。
しかし、社会貢献は 表向きの目的で、本当の目的は「自分の名前を後世に残す」というケースが多いそうです。多額の寄付によって 自分の銅像が立てられたり、寄贈する学校の学校名に自分の名前が入れられたり、そういったことで名を残すということなのです。(赤秀有為)
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