コラム
これぞセオリー、カシオ「美肌ジブン撮りカメラ」のマーケティングは成功するか?(2/2 ページ)
カシオは「美肌ジブン撮りカメラ」と称し、EX-Z800の販促キャンペーンを行った。まさにセオリーとも言えるマーケティング施策はどのような結果をもたらすか。
セオリー通りのマーケティングは成功するか
こうしたまさに混沌とした状況の中で、カシオのセオリー通りのマーケティングはどのような結果をもたらすのだろうか。
「従来のマーケティングセオリーが効かなくなった」という声は今でも相変わらず多い。必需品と呼ばれるものはすでに行きわたり、「モノ」自体の機能によるヒット商品を出し続けることは至難の技だからだ。どこでもAppleのように商品開発をしたり、Googleのように話題の会社を買収できたりするわけではない。
おまけにメーカーや小売が「差別化」と呼ぶ内容は、ユーザーにとってすでに意味を持たないものが大半だ。それどころか、ユーザーにあえて負荷をかけるような手法が大当たりすることも少なくないし、逆に手取り足取りのサービスが見向きもされないこともある。
マーケティング施策の企画や運営、意思決定に携わる人たちにとっては受難とも言える時代だが、私を含めてこのカシオが展開した「美肌ジブン撮りカメラ」の成功を祈る人たちは少なくないだろう。好みの問題といえばそれまでだし、少し古いのかもしれないが、ぜひとも成功してほしい企画モデルの1つだ。(猪口真)
関連記事
- 消費者はTwitterやFacebookを利用しているのか?
「インターネットの利用実態」についての調査結果が発表された。この3年間にネットをめぐる環境は大きく変化したが、果たして実態ではどのような変化があったのだろうか。 - 戦略転換は進化なのか? ライトオンとしまむらに学ぶ一貫性の重要さ
再三のNB化への転換で利益増をもくろむライトオン。それに対し、「餅は餅屋」と仕入れに徹底し、SPAとの差別化を測るしまむら。この両社の戦略とその結果の違いは何を意味しているのだろうか? - 一人勝ちアウディのブランディング戦略
アウディの勢いが止まらない。日本で初めて輸入車シェア10%を突破し、3月の世界販売台数は月間記録を達成するなど、破竹の勢いを続けるアウディ。その徹底したブランディング戦略を探る。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.