氷河期でも入社しやすいというけれど……中小企業ってどんなトコロ?:「半農半X」 ビジネスコンサルタントと、農業と……(5/5 ページ)
就職氷河期と言われる中でも、人材が不足している中小企業。もし、入社を目指すとするならば、どんなことを心がけ、どのように見極めればいいのだろうか。
中小企業の面接は10分で決める
気になる中小企業を見つけたら、そこにストレートにアタックすべきだ。大企業の就活システムと異なり、最初から中堅社員が出てくる可能性もあるし、最終的には経営者が面接官になることも多い。仮に新卒募集をかけていなかったとしても、コンタクトを取れば案外と受け入れてくれるのも、中小企業の良いところ。
さて前回は「就職は3秒で決まる」と書いた。主に大企業では人事が“第一印象”で学生をふるいにかけており、それは有効な手段である。しかし中小企業では状況が異なる。求人倍率から明らかなように、中小企業では人材が不足している。またもともとの従業員が少ないため、学生1人当たりに対する期待値は必然的に高まる。このような背景から、丁寧な面接・時間をかけた面接が期待できる。学生が臨むべき賢明な態度は?
経営者が出てきたなら、10分くらいじっくりと話すことをオススメする。肝心なのは、面接されているというよりは「学生が経営者を面接する」感じがベスト。中小企業は経営者いかんによって企業体質がガラリと変わるというか、経営者の思想そのものを体現しているような企業が多い。経営者が優秀か否か、これが中小企業の生命線。当たり外れは学生がしっかり判断すべきである。10分もあれば十分。
注意点としては経営者でも人事でもない面接官の場合。中小企業では新卒採用に特化した人材に乏しく、営業部長だったり経理だったり、人事とは無関係の社員しか出てこないこともざらである。面接のプロでないため3秒で学生を判断することはしないが、その代わり、人物の判断基準も正直よく分からない。ただのオバチャンだったりする場合もある。こういう場合は……あきらめよう。
就活に成功し、就職に失敗する
40歳になろうかという現在なら、コンサルタントとしていろいろな企業を見てきたから、大企業と中小企業のシステムや思想の違いも理解できる。しかし学生時代はまず無理だった。15年前、氷河期第一世代に私は大企業に入社し、わずか半年で辞めた……。ゴールを決めた途端、「あら、何をしたかったんだっけ?」となり、在籍する意味を見失った。就活に成功し、就職に失敗した典型的なケースである。こんな人間は結構いる。
その後、自分のビジネス適性と手掛けたい仕事をよくよく考え、フリーランスという道を選択して『荒木News Consulting』という個人事務所を作り、独立した。その動機は「中小企業にはマーケティングのノウハウと人材が圧倒的に不足している」という事実。「もうちょっとこうすれば良くなるのに……」という企業が非常に多い。そして、その“問題点自体に気づていない経営者”が、これまた実に多い。そのような経営者をバックアップしていくのはきっと面白いだろうと考えたのだ。実際、面白い。
何せ日本は「中小企業の国」である。99%が中小企業、マーケットの可能性はほぼ無限大に拡がっている。
学生も同じこと。消極的に中小企業を選択するのでなく、積極的に探してみてはいかがだろうかと、切実に思う。中小企業には本当に楽しい企業がたくさんある。発見できるかできないか、その目利きは、自分次第なのだが……。(荒木News Consulting、荒木亨二)
※この記事は、誠ブログ「【就活のオモテとウラ その2】 中小企業ってどんなトコロ?」より転載しています。
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