「自己紹介」の練り直しで、就活を大逆転しよう:吉田典史の時事日想(3/3 ページ)
新卒が就職活動の面接やエントリで集中的に問われるのが「自己紹介」と「志望動機」。今回はその中でも「自己紹介」に焦点を当て、会社に効果的に伝えるにはどうすればいいか紹介する。
経験者しか言えないこと
さらに3の「経験でつかんだこと、学んだこと」は、編入試験突破の例で言えば、次のように語るといいのではないか。
「調べるということは正解がないがゆえに、忍耐強くひたすら調べ尽くしていくことなのだと感じました。そして、自分の考えとはむしろ反対の考えの書物を10〜20冊読むことがいちばん効果的であることが分かりました」
大切なことは経験者しか言えないような生々しい、皮膚感覚のことを言うことだ。その方が信ぴょう性があり、面接官からすると判断しやすい。
最後に4の「それをこんな具合に生かしていきたいので、御社に応募した」は学生には難しいに違いない。大切なことは、前述の「自分がやりたい仕事」と「その仕事で求められる力」の重なりを意識し、そこに焦点を当てたことを話すべきである。例えば、「私は貴社で研究員として会社の商習慣をテーマに、精度の高いレポートを書いたり、講演などをしたりしていきたい」と締めくくりたい。
以上をまとめると、次のようになる。
(サンプル)
私は周りに流されながらも、最後には自分にとって価値あるものを見つけ、それにまい進することができます。
A大学の経済学部からB大学の法学部に3年次編入をしました。高校の頃からB大学法学部の●●教授のもとで、商法について勉強をしたかったのです。その夢が捨てきれずに1〜2年の時、週に3回、渋谷にある編入試験の専門学校に通いました。そこでは、試験科目である英語や憲法、民法などの文献を90冊ほど読み込み、10枚ほどのレポートを1カ月に1本のペースで書きました。
周りの学生がサークルなどで遊んでいる中、自分も「こんな勉強はもうやめよう」と何度も思いました。しかし、その思いをこらえ、2年間、1日5時間ほどの勉強を続けました。ついに受験者120人のうちで合格者が5人の枠に入り、編入することができました。
この経験を通して、調べるということは正解がないがゆえに、忍耐強くひたすら調べ尽くしていくことなのだと感じました。そして、自分の考えとはむしろ反対の考えの書物を10〜20冊読むことがいちばん効果的であることが分かりました。
私は貴社で研究員として会社の商習慣をテーマに、精度の高いレポートを書いたり、講演などをしたりしていきたいと思っています。
あなたの「自己紹介」の参考になっただろうか。
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