コラム
国内旅行不振の打開策、旅行業界が力を注ぐ“MICE”とは(2/2 ページ)
急激な円高によって、国内旅行の落ち込みが激しい。そんな国内旅行の打開策として注目されているのが“MICE”。旅行とイベントやコンベンション、エキシビションを組み合わせた事業モデルのことで、旅行各社が力を注いでいる。
MICEの専属部門も登場
そうした中、日本国内の旅行会社はMICEの専属部門を立ち上げ、新たなビジネスモデルへの取り組みを行なっている。
もともと、旅行業界では場所や移動手段というハードの提供だけでなく、企画や演出といったソフト面でのクオリティが問われていた。さらにMICEに取り組むことで、より経営課題に近い企業のパートナーとなれる。
また、いくつかの国内ホテルも、名称変更やサービスコンセプトの再定義などを行いながら、国際会議やコンベンション、研修など幅広いMICE事業に対応する。
しかし、堅調な業界とはいえ、研修業界にしてもイベント業界にしても決して状況が良いとは言えない。特に、ここ何年もほとんど変わらないサービスを提供し続けてきた、中小規模の企業が多い教育研修業界は、国内外の旅行会社、宿泊施設が展開するこうした動きは驚異以外の何者でもないだろう。
新しいストラテジック・ミーティング・マネジメントの流れを受け止め、いかに斬新なサービスを提供することができるか。MICEに注目だ。(猪口真)
関連記事
- 一人勝ちアウディのブランディング戦略
アウディの勢いが止まらない。日本で初めて輸入車シェア10%を突破し、3月の世界販売台数は月間記録を達成するなど、破竹の勢いを続けるアウディ。その徹底したブランディング戦略を探る。 - 不況でも伸びてます! 化粧品通販のマーケティングに注目せよ
百貨店やスーパーなど、既存流通チャネルがかつてないほどの苦境を味わう中、衰えを知らない化粧品通販。市場規模は2500億円を突破し、とどまるところを知らない。この不況下でも、確実な伸びを示す化粧品通販業界では、どのような試みが行われているのだろうか。 - “問い続ける男”が教えてくれる、“続けさせるマーケティング”――アウディ
アウディ ジャパンのキャンペーン「問い続ける男」が面白い。ある時は哲学的に、ある時は怒りながらこちらの質問に答えてくれるのだ。単なる言葉のゲームではなく、「問い続ける=中毒性」が成立することに“巧妙”さがうかがえる。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.