「南米の東大」サンパウロ州立大の日系人率は20%超――サンパウロ新聞記者、植木修平氏:世界一周サムライバックパッカープロジェクト(4/4 ページ)
ブラジルで日系人社会向けの邦字新聞を出版するサンパウロ新聞社に勤める植木修平さん。日系人には優秀な人が多いようで、人口では1%未満でありながら、「南米の東大」と言われるサンパウロ州立大学の20%以上を占めているそうです。
笠戸丸を知っていますか?
まず、植木さんの飛び込み力のすごさにビックリ。会社を辞めて、いきなりブラジルに渡るなんて、中々できることではないかと。
植木さんの話で驚いたのが、ブラジルで人口比率1%未満の日系人が、サンパウロ大学の学生比率20%を占めているという事実。
僕は南米にいた時、ペルーやブラジルを始めとする国の人から、「日本人は信頼できる!」「日本人は優秀だ!」と言われることが時折ありました。今、考えると、それらの信頼関係を構築しているのは今、日本に住む人々ではなくて、100年も前から南米に渡り、厳しく過酷な環境の中を生き抜いて信頼を勝ち取ってきた日系人のみなさんなんだと。
サンパウロで出会った、日本語ペラペラで日本文化にも精通する日系人の青年が僕に言いました。
「僕は日本の人が、『笠戸丸(Wikipedia参照)』を知らないと聞いて驚いたんです。日本人なら誰もが知っている歴史だと思っていました……」
彼はそう言った。多くの日本人移民を運んだ笠戸丸、みなさんはご存じでしょうか? 僕らは日系人移民の歴史についても学ぶ必要があるのではないかと思えました。そして、南米や米国を中心に世界に散らばった日系人と、今こそ協力し合って進んでいくべきなのではないかと思ったりもします。
特にブラジルはこれから経済が急成長するとされている国。日本の真裏に存在する国でもあります。そこに根付いてきた日系人コミュニティを支えていくことは大きな国益にもなることと思います(ブラジル日系人のリーダーは「日本政府の支援が十分ではない」と嘆いていた)。
これから大きく飛躍を遂げていくことが期待されている国、ブラジル。そこに飛び込んだ植木さんの今後に注目! かつ、多くの若者が植木さんに続くのではないかと思っています。地球の裏側のブラジル、でもそこには日本人を受け入れてくれる日系人社会が今も存在しています(ラーメン屋も焼鳥屋もありますよ!)。
僕も旅に出ることを決める前は、すでに多くの人が渡っている中国・インドではなく、ブラジルで5年くらい働こうかと考えたりもしていました。「これから海外で一旗!」と思っている人にブラジルは要注目国だと思います。そんなブラジルに興味がある人は、植木さんのいるサンパウロ新聞社を訪れてみて下さい。
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