コラム
「青春18きっぷ」が存続している理由:杉山淳一の時事日想(5/5 ページ)
鉄道ファンでなくても「青春18きっぷ」を利用したことがある人は多いはず。今年で30周年を迎えるこのきっぷ、なぜここまで存続したのだろうか。その理由に迫った。
このほか、さらにエリアを限定して低価格としたり、特急にも乗れたりなど、魅力的なきっぷはたくさんある。青春18きっぷがなくなるとすれば、こうした新しいきっぷに利用客が移行して、青春18きっぷの利用者が減った時だろう。しかし、今のところ青春18きっぷの圧倒的なネームバリューを超える商品はない。ただし、青春18きっぷ自体の制度の見直しはあるかもしれない。期間か、価格か、回数か……。この夏、私たちは「青春」のはかなさを知ることになるかもしれない。
もしあなたが青春18きっぷを愛しつつ、廃止されるかもしれないと不安に思うなら、なすべきことはひとつ。この春も青春18きっぷを購入し、付属のアンケートに回答して、継続的な利用をアピールすることだ。私もそうする。
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