転職時に考えるべき6つのリスク(3/3 ページ)
自分の職業選択について考える際、職を変えるにしても、現職にとどまるにしても、それぞれにリスクはある。今回は、そのリスクの主なもの6つについて考えてみた。
4.健康的リスク
転職によって仕事の環境を変えることは、心機一転ということもありますが、その準備段階、実行段階においてかなり精神的、肉体的に負担をかけることになります。そうした意味で、転職時は健康を損なうリスクが高まるのが事実です。
他方、現職の環境がストレスに満ちていて、それでもしばらくは様子見を決め込んだ場合も同様に、健康にリスクが生じるものです。仕事環境への不満や不安、上司との関係悪化などにもかかわらず、現状に留まって次のチャンスを待つことは、相当に精神的、肉体的な負担を強いるでしょう。
5.加齢的リスク
これは「動く/留まる」「現職に満足している/していない」にかかわらず、誰にも当てはまることですが、年齢が高くなればなるほど、諸々のリスクは大きくなってきます。
例えば、歳とともに家族に対する責任や社会的責任が増していき、その結果、保守的になり思い切ったことができなくというリスク。能力的な柔軟性や伸びしろが限られてくるために、キャリアの選択肢が硬直化するというリスク。そして当然、体力がピークを過ぎ、こなせる仕事量が減少するというリスクが増大します。一般的に、転職案件は30代半ばからのものがぐっと減るのは、こうしたリスクを採用企業側が認識しているからです。
6.精神的リスク
このように転職するにせよ、しないにせよ、リスクはさまざまに生じます。しかし、リスクを恐れる必要はありません。リスクは適切に認識しさえすれば、それを低減できる部分がかなりあります。むしろ恐れるべきは、「リスクを恐れて何もできないでいる自分」です。
これが最後6番目の精神的リスクです。しょせんリスクといっても、平成ニッポンのビジネス社会でのリスクではないですか。命まで取られるわけではありません。
何よりも大事なことは、日ごろの仕事の中でリスクを凌駕するほどのチャンスを見つけ出すことです。それができれば、「リスクを恐れる自分」など吹き飛ばせるはずです。それで結局、社内異動だろうが社外転職だろうが、それは手段にしかすぎないんだと思うことができ、大胆に行動が起こせます。そういうエネルギーが自分の中に満ちてくれば、「物事はうまくいく、いや、うまくいかせてみせる!」という心持ちになります。それが“意志あるキャリア開拓”の姿というものです。(村山昇)
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