Metro、Surface……マイクロソフトは本気でタブレットに取り組もうとしているのか?:遠藤諭の「コンテンツ消費とデジタル」論(3/3 ページ)
ソフト(OS)は提供しても、ハードは作らなかったマイクロソフトが自社製タブレット「Surface」を発表した。PC、ケータイ、タブレット……マイクロソフトはどんな考えで次の一手を打つのか? ポイントは「Metro」にあるのではないだろうか。
マイクロソフトが本気なら、Metro専用タブレットを作るべきでは?
Windows 8というのは、従来型のWindowsソフトウェアの動作環境に、「Metroスタイルアプリ」という新たに加わった動作環境をペタリと貼りこんだようなものだ。「ウィンドウズ」というレストランの店頭に、「Metro」という名前のお弁当の販売コーナーを新設したような感じだと言ってもよい。さらに、ARM版の新店舗も開いたのだが、こちらも似たような作りになっている。
マイクロソフトが真正面からタブレットの世界に挑戦するなら、Windows 8ではなく、Metro専用の端末を作るべきだったとわたしは思う。まあPCにタブレット的なMetroが付いてくるのは便利だからそれは良いとして、「Windows for Tablet」というOSを別に用意して、それをSurfaceのようなタブレットに載せるべきだったと本気で思っている(同社はWindows Phoneの延長ではなく、Windows 8やWindows RTがタブレットだと言っている)。タブレットというのなら、シンプルで、子供や老人でも楽に安心して使えるiPadやKindle Fireのような端末であるべきではないのか。
企業ユーザーでも、いま、BYOD(Bring-Your-Own-Deviceの略。パーティーなどでのBring-Your-Own-Wineに引っかけて、個人利用の端末を企業に持ち込むことを言う)という言葉がキーワードになっている。あるいは、学校などの組織で、PCではなくタブレットを大量に入れたいと言い出している。これは、タブレットという4つ目のスクリーンは、シンプルなので管理やメンテナンスが楽だからだ。
クラウドコンピューティングの先で、いま何が起きようとしているのか? たぶん、そのときにキーワードになるのは、Windows 8のMetroでもチラリと見えている「HTML5」なのだろう……というお話は、次回。
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