選挙は「3勝3敗」で、勝てる理由:仕事をしたら“選挙の勝ち方”が見えてきた(後編)(2/6 ページ)
選挙の裏ではさまざまな人間が動いているが、なかでも重要な位置を占めるのが「選挙プランナー」だ。あまり聞きなれない言葉だが、一体どんなことをしているのだろうか。選挙プランナーとして活躍されている株式会社アノンの野沢高一氏に話を聞いた。
野沢:市役所の近くには金融街や歓楽街があって、近くに老舗ホテルがある。市役所と駅の間に川が流れていて、人口10万人以上のところだとそこにアーケードがついていて、人の行き来がある。ただ川のところでアーケードが切られていたり、商店街がつながっていなかったりすると、X市の発展はなかなか見込めません。
また駅前の反対側を見て、街の雰囲気をつかむことも大切ですね。新しいビジネスホテルが建っていて、そのホテルが「朝食無料」をウリにしていれば、その地域の開発はほぼ終わったことになります。
そしてタクシーで街をひと回りして、D候補者の地元を見ます。ここでは現職市長がC地区出身としましょう。相手陣営を知るために、もちろんC地区も見て回ります。
次に、F地区に立ち寄ります。ここはいわゆる新興住宅街なので、環境問題に関心が高い人が多い。公園にいるお母さんたちに声をかけて、市長や街のことを聞く。そして市役所周辺の金融街や歓楽街に行って、ご飯を食べたり、床屋に行ったりする。そして市長はどんな人なのか。評判はいいのか、悪いのか。現地の人の声を聞いて、選挙プランを立てていくんですよ。
土肥:街を分析されて、C市長の評判が悪ければ、Dのほうが有利ですよね。前回もお話されていましたが、インフラ整備がされていないほうが有利に働く傾向がある。ということは、CよりもD地区のほうが暮らしぶりが悪ければ、Dのほうが有利ということになるのでしょうか?
野沢:ですね。
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