選挙は「3勝3敗」で、勝てる理由:仕事をしたら“選挙の勝ち方”が見えてきた(後編)(5/6 ページ)
選挙の裏ではさまざまな人間が動いているが、なかでも重要な位置を占めるのが「選挙プランナー」だ。あまり聞きなれない言葉だが、一体どんなことをしているのだろうか。選挙プランナーとして活躍されている株式会社アノンの野沢高一氏に話を聞いた。
「ネット選挙」に期待すること
土肥:次の参議院選挙から「ネット選挙」が解禁されることになりました。ネット選挙になれば若い人の関心が高まって投票率が上がるのでは……といった声もありますが、人口の差をみると、この問題は簡単に解決できませんね。移民を受け入れない限り、若者の人口を増やすことはできませんし、高齢者に「選挙には行くな!」とも言えません。
野沢さんはネット選挙が解禁されることについて、どのように受け止めていらっしゃいますか?
野沢:永田町では「手の届かない人たちがいる」とよく言われています。多くの陣営では後援会の会員数が減少傾向にあるので、政治家と国民の声がなかなか通じにくくなっているのではないでしょうか。ただネット選挙の解禁によって、国民のリアルな声が政治家に届く――そのような仕組みになればいいかなと思っています。
次の参院選で、ブログやSNSを使ってアピールする人もいれば、まったく使わない人もいるでしょう。ネットを利用しなければ、国民から支持されないのか? そう聞かれると、まだそこまではいっていないと思う。逆にネットに頼らなくてもいいぐらい強固な後援会をお持ちな人もいらっしゃいます。
また当落にどのくらい影響しますか? と聞かれると、現段階では分かりません。ネットへの書き込み数によって、当落にどのくらい影響するのか――この点はものすごく興味深いですね。次の参院選では「ネット選挙のおかげで当選した」という人は出ないと思いますが、いつそうした人が出てくるのか。この点も気になりますね。
土肥:ネットをうまく使っている政治家といえば、誰を思い浮かべますか?
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