シリアの化学兵器攻撃は「世紀の大ウソ」なのか!?:伊吹太歩の時事日想(2/4 ページ)
シリアでサリンによる攻撃が行われた可能性は高い。だが、誰が実行したのか? シリア在住のキリスト教修道院長の検証リポートが世界の注目を集めている。
マザー・アグネスの報告書
今、シリアは化学兵器の廃棄に向けて、国連の査察団を受け入れている。それによってシリアの騒動が一気に落ち着いた感がある。だが実際にはイスラム過激派の台頭など内戦の戦況は刻々と変わっており、相変わらず解決の糸口は見えない。だが少なくとも小康を保っているように見える。
だが今、世界で話題になっている報告書がある。シリアに暮らすある女性が公表したそれによれば、ダマスカス近郊のゴウタで発生した今回の化学兵器による攻撃が「世紀の大ウソ」だというのだ(参照リンク)。
この報告書をまとめたのは、シリアのカラにあるカトリック女子修道院の院長、マザー・アグネス・マリアムだ。彼女は2013年8月の化学兵器攻撃後に反体制派により公表された映像などがねつ造だと主張。彼女は少し前にも、ロシアのメディアに同様の主張をしていたが、先日、その主張と証拠をまとめた報告書を公表したのだ。
マザー・アグネスは、調査を行った動機をこう語る。「子供を誘拐された親たちから私のところに連絡があった。彼らは、『誘拐された自分たちの子供が東ゴウタで起きた化学兵器による攻撃の被害者として、出回っているビデオに映っている』と私たちに言う。そこでビデオを徹底的に検証してみることにした」
さらに彼女は「私たちの調査では、映像が流されることを計算に入れて、子供たちの小さな体は巧みに操作され、芝居じみた調整で並べられていることに疑問の余地がない」と続ける。そして報告書にはこう書いた。「東ゴウタでの化学兵器攻撃の政治的プロパガンダで、子供たちが犯罪的に利用されていることを、国際的に明らかにしたい」
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