新聞市場を眺めてみた――消費者データから見るブランドポジション:消費者理解コトハジメ(3/3 ページ)
2013年8月、Amazonのジェフ・ベゾスCEOがワシントンポストを買収したというニュースがありました。デジタル・ネットワークの時代になり、パッケージメディアのビジネスモデルの転換期にありますが、日本の新聞社が吸収合併や倒産したという話は聞こえてきません。そこで今回は、「新聞市場」をテーマに取り上げてみます。
日本の新聞はどうなるのか?
さて、私もメディア研究の専門家ではないので、日本の新聞がどうなるかについて公に書けるようなネタはないのですが、生活者が欲しいメディアと新聞社が提供しているメディアにギャップがあることだけは感じています。それは、デジタルか印刷物かだけの問題ではないような気がします。新聞が今のような形になって、一体どのくらいの年月が経っているのでしょうか。まず、新聞自体を再定義することが必要なのかも知れません。
2009年のTEDで、「デザインは新聞を救えるか?」という興味深いプレゼンテーションがありました。当時、かなり話題になったので見た人は多いかも知れませんが、ポーランドのデザイナー、ジャチェック・ウツコさんの新聞のリ・デザインに関するプレゼンテーションです。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
彼が目指した新聞はポスターのような新聞でした。彼のデザインによって、東ヨーロッパでの新聞発行部数が驚異的に伸びていきます。日本で同じような方法が通用するかどうかは分かりませんが、少なくとも「アナログ志向の高齢の男性」以外の層にもしっかりアピールできるのではないでしょうか。
情報があふれかえる時代。本来の新聞の使命が今ほど求められている時はないのかも知れません。洗練されたメディアとしての新しい新聞の姿を、ぜひ見てみたいものです。(コプロシステム 商品計画研究所 大久保惠司)
※ぺるそね=約3万人の消費行動データをもとに、ターゲットとなる人々のライフスタイルを読み解けるナレッジベースサービス。データは2013年8月調査のもの(n=3万473)。
参考:消費者パネル・シングルソースデータ系サービス 調査のチカラ
※この記事は、誠ブログの新聞市場を眺めてみた -消費者データから見るブランドポジション(14)-より転載、編集しています。
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