検索
連載

JR北海道不祥事で明るみに出た「鉄道部品コレクション」とは杉山淳一の時事日想(4/5 ページ)

鉄道ファンにとって「鉄道部品」は価値のあるものだ。誰にも迷惑をかけないはずの、ささやかな趣味が、マスコミの攻撃対象になってしまった。この趣味もそろそろ健全化への取り組みが必要かもしれない。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

知らないうちに盗品を飾っているかもしれない

 話がそれてしまった。私のコレクションの中には「グレーゾーン」なものもある。列車ダイヤなど運輸の現場で使った資料、ホームの柱に掲示されていた停車駅案内板だ。それらは鉄道グッズショップで購入した。列車ダイヤは鉄道ゲームの攻略記事を作る時に使った。ページの背景に鉄道っぽい絵柄を使いたくなり、都内の鉄道グッズショップで買ってきた。現在は鉄道会社が旧ダイヤを販売しているが、当時は鉄道中古品店しか扱っていなかった。

 停車駅案内板は、私の最寄り駅のもので、その駅からの所要時間が書いてある。これは便利で、しかも最寄り駅という親しみもあって衝動買いした。いまも玄関に貼ってあり、私の部屋から帰る人に参考にしてもらおうと思っている。新駅の開業にともなって掛け替えられ、廃棄された古いほうで、よく見るとその新駅が抜けている。私はコレクション趣味は控えていると言っても、かなり楽しんでいるほうだと言えそうだ。

 しかし、これら鉄道グッズショップで販売されている中古品は、どのような経路で仕入れられたものだろうか。私は店で買ったから、善意の第三者を主張できる。しかし、こうした鉄道中古品を買う人がいるなら、それを当て込んで売り込む人もいる。売り手の入手経路が、鉄道イベントで入手された合法品なら良いけれど、盗品の可能性はゼロではない。実際に鉄道車両から部品を盗んだ不心得者が逮捕されるという事件も起きている。買う側の「欲しい」という純粋な気持ちが、犯罪の温床を作っているのかもしれない。


これは鉄道部品ではなく、鉄道部品(行き先方向幕)をイメージしたタオル。生活に使える鉄道グッズは楽しい

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る