安藤美姫はどこへ行く?――韓国フィギュア界もラブコール:臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(1/4 ページ)
ソチ五輪の代表の座を射止められず現役を引退したミキティこと安藤美姫さん。彼女はなぜ育児と選手生活の両立を目指したのか? 彼女に今、韓国からコーチ就任の声がかかっているという。
著者プロフィール:臼北信行
日本のプロ野球や米メジャーリーグを中心としたスポーツ界の裏ネタ取材を得意とするライター。WBCや五輪、サッカーW杯など数々の国際大会での取材経験も豊富。
ソチ五輪の開幕へカウントダウンが始まった。やはり何といっても最大の注目は女子フィギュアスケート。日本代表メンバー3人の中でも特に今季限りでの現役引退を決めている浅田真央(中京大)には、銀メダルを手に悔し涙を流した前回のバンクーバー五輪のリベンジを晴らす期待がかけられている。キム・ヨナ(韓国)とのライバル対決を制して悲願の金メダルに輝き、有終の美を飾ってほしい。日本の多くの人々が、そう願っているはずだ。
その一方で夢破れた選手もいる。安藤美姫(新横浜プリンスクラブ)だ。長年に渡って日本女子フィギュア界をけん引してきた元女王は2013年12月の全日本選手権で総合7位に終わり、代表の座を射止められずに競技生活へ別れを告げた。2006年のトリノ五輪と2010年のバンクーバー五輪に出場し、2007年と2011年には世界選手権を制覇。輝かしい経歴とともに「ミキティ」の愛称で親しまれた彼女は、最後の最後まで自分らしさを貫いた。
突然の出産報告とソチ五輪への道
世間を驚かせたのは、「報道ステーション」(テレビ朝日)にインタビュー出演した2013年7月1日のこと。突然、今季限りでの引退と同年4月に女児を出産していたことを明かした。2011年の世界選手権後に長くコーチを務めていたニコライ・モロゾフ氏に契約を解消されて以降、ここまで2シーズンを欠場。そのハンディがありながらもママとしてソチ五輪を目指し、17年間の競技生活のラストステージとしたい意向を同番組上で公言した。
この安藤の重大決意を当時、一部のフィギュア関係者や日本スケート連盟関係者たちが「五輪に出るなんて可能性はゼロに近い」「どうせ満足な演技もできるわけがない」などとせせら笑った。
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