検索
インタビュー

なぜ歯ブラシを買うのに迷うのか? 客の行動を分析して、分かったこと仕事をしたら“客の迷い”が見えてきた(前編)(3/6 ページ)

お店の棚の前で「これにしようかな。いや、こっちにしようかな」と迷ったことがある人も多いだろう。そんな人の“迷い”を可視化するサービスが、2013年からスタートしている。お客の購買行動を分析することで、どんなことが見えてきたのだろうか。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

のべ10万人のデータを蓄積


ミディーの深谷由紀貞社長

土肥: 当時の日本で、お客の購買行動を分析できる機械はあったのでしょうか。

深谷: ありませんでした。欧米ではビデオの動画から分析する機械はあったのですが、エラーが多かったんですよ。例えば、人間の目で見ると、雨が降っているかどうかって判断できますよね。でも機械に雨が降っているかどうかを認識させるのは、ものすごく難しい。

 認識させるには、検索にひっかかるように「動画にメタタグ(検索キーワード)」を付けなければいけません。技術的な説明は割愛しますが、例えば、ACミランの本田圭祐選手が雨の中で試合をしているとしています。そうすると「雨の中で」「○○スタジアムで」「シュートをした」といったキーワードを埋め込まなければ、検索できません。

 こうした作業は大変なのですが、私たちは「このお客は立ち止まっている」「このお客は買っている」といった情報をどんどんためていって、いまではのべ10万人のデータを蓄積することができました。そして、これまでよく分からなかったお客の「通過」「立ち止まり」「接触」「購買」という行動が、数値化することができるようになりました。

土肥: 数値化ということは、例えば「缶コーヒーの棚で○○%の人が立ち止まった。そのうちの○○%が手に取って、○○%が買った」ということですか?

深谷: はい。

土肥: ほー、それは面白い。これまでは調査員が目でチェックしていたのですか? 「お、あの人は缶コーヒーを買ったな」「むむ、この人はスルーだ」といった感じで。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る