インタビュー
日本のスーパーは遅れている? 客のデータを分析しなければいけない:仕事をしたら“客の迷い”が見えてきた(後編)(4/5 ページ)
3Dセンサーを使って、お客の購買行動を可視化する動きが出てきた。こうした情報を蓄積していくことで、今後はどんなビジネスが考えられるのだろうか。ビッグデータ分析を手掛けるミディーの深谷社長に話を聞いた。
土肥: 店頭のPOPなどでは「このシャンプーは香りがいい」ことをアピールしていた。つまり、メーカーの売り文句そのままで。
深谷: そうなんですよ。で、ある店では「この商品はニオイがきつくない」ことを強調したところ、売れ行きが伸びました。
土肥: ほほー。お店のスタッフは、ぼーっとしていてはいけないということですね。「この商品は売れないから、さっさと棚から落とすか」ということではダメ。なぜ売れないのか、ということを考え、さまざまな角度から分析しなければいけない。
深谷: ですね。
土肥: 今後、リアル店舗とECサイトはどのような形になっていくと思われますか?
深谷: これまでWebの世界ではデータ分析が進んできました。一方のリアル店舗では遅々として進んでいません。この両者の垣根が今後、取り払われると思います。そうすると、データがたくさんたまっていき、両方で売上アップのチャンスが広がるのではないでしょうか。
今後、リアル店舗で買おうが、ECサイトで買おうが、どちらでもいい、という人が増えてくると思っています。適切なタイミングで、適切な場所で、適切な情報を得て、適切に買っていく。そうした環境が整いつつあるので、企業はそれに適したマーケティングを打ち出していけるかどうか。それがカギになってくるでしょうね。
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