日本のスーパーは遅れている? 客のデータを分析しなければいけない:仕事をしたら“客の迷い”が見えてきた(後編)(3/5 ページ)
3Dセンサーを使って、お客の購買行動を可視化する動きが出てきた。こうした情報を蓄積していくことで、今後はどんなビジネスが考えられるのだろうか。ビッグデータ分析を手掛けるミディーの深谷社長に話を聞いた。
リアル店舗とECサイトの今後
土肥: 取引先からはこんな声があるのではないでしょうか。「迷っているお客は男の人が多いのかな、それとも女の人が多いのかな。それと年代も教えてくれないかな」などなど。
深谷: ありますね。男女・年代を知るためには、2つの方法があります。1つは「年齢認証カメラ」を設置する。もう1つは、お客があるコーナーにやって来たときに、スマートフォンなどを使って「チェックイン」する。
土肥: 良品計画が同じようなことをしていますよね。お客は「MUJI passport」というアプリをダウンロードして、買い物をしたり、お店でチェックインすると「MUJIマイル」が貯まる。そのポイントを使って、買い物ができるという仕組みですよね。一方の良品計画は、ユーザー情報を登録してもらうことで、お客の購買行動を把握することができる。
深谷: 弊社のサービスとスマートフォンのデータを連携させることによって、これまでにない情報を手にすることができるのではないでしょうか。
また、ある商品はWebで盛り上がっているのに、リアル店舗では売れていないといったケースがあります。これは問題。やはりリアル店舗でも、お客にその商品を手に取ってもらわなければいけません。逆に、リアル店舗ではものすごく売れているのに、ECサイトでは売れていないケースもあります。
土肥: なぜ、そうした現象が起きるのでしょうか?
深谷: 例えば、あるシャンプーでこうしたことがありました。ECサイトでは売れているのに、リアル店舗ではあまり売れていない。おかしいなあということで、その原因を調べてみました。シャンプーのメーカーは「この商品は香りがいい」ことを宣伝していました。でも、Web上の口コミでは「ニオイがきつくない」ことが評価されていたんですよね。
関連記事
- なぜ歯ブラシを買うのに迷うのか? 客の行動を分析して、分かったこと
お店の棚の前で「これにしようかな。いや、こっちにしようかな」と迷ったことがある人も多いだろう。そんな人の“迷い”を可視化するサービスが、2013年からスタートしている。お客の購買行動を分析することで、どんなことが見えてきたのだろうか。 - ローソンのコーヒーは誰が飲んでいる? データから見えてきたコト
「コーヒーはコンビニで買う」という人が増えてきているが、一体どんな人が購入しているのだろうか。ローソンのPontaカードを分析すれば「どういった人が何を買ったのか」が分かるので、担当者に直撃。男性20〜40代がよく飲んでいるのは……。 - なぜ人は駅で買い物をするのか? 潜在意識を分析した
何気なく歩いていて、ついつい買い物をしてしまった。こんな経験をしたことがある人も多いのでは。なぜ人は移動中に買い物をしてしまうのか。生活者の購買行動などを分析している「ジェイアール東日本企画 駅消費研究センター」の担当者に話を聞いた。 - なぜ人間は買い物をするのか? 人を動かすツボは18パターンある
人ってなぜ買い物をするのか?――そんなことを疑問に感じたことがある人は少ないだろう。何も考えずに買い物をしている……と思っているかもしれないが、実はあるツボを押され“動かされている”かもしれないのだ。 - なぜコンビニは人気のない「エッグタルト」を売り続けるのか
ローソンでスイーツの販売データを見せてもらった。それによると「エッグタルト」はあまり売れていないのに、店頭に並び続けている。人気のない商品は消えていくはずなのに、なぜ「エッグタルト」を売り続けるのか。 - ルーツは病院にあった? 今年46歳、ボンカレーの過去
1968年に発売された「ボンカレー」は、どのように開発されたのだろうか。製造元の大塚食品に聞いたところ、意外な答えが返ってきた。カレーが入っている袋を殺菌するために……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.