仕事ができる人の共通点は? リクルートで働いて学んだこと:上阪徹が探る、リクルートのリアル(4/5 ページ)
幅広い領域で次々とビジネスを拡大しているリクルート。今や売り上げは1兆円以上に。今のリクルートって、いったいどうなっているのか。第一線で活躍する“エース”たちから、今のリクルートのリアルを探る。
内定者時代に聞いた話
リクルートという会社で、何を得たのだろう。
「意外に思われるかもしれませんが、理詰めを求められるんですよね。社長も役員も、理詰めで絶体絶命くらいのところまで追い込んできます(笑)。そして最後に『で、やりたいの?』と聞いてくる。最後の最後は思いや主体性が問われるわけです。でもこれって、けっこうビジネスの本質だなと思っています。意志があるところに、道ありですから」
そして、内定者時代に聞いた話を今も覚えているという。
「リクルートがつぶれたとしても、一流の仕事人になれる実力をつけられる、と。これは採用のときにも言っていました。リクルートは雇用を保障する会社ではないんです。でも、雇用される能力を支援することは保証します、と」
だから例えば研修も、自分の職域にまったく関係ないものを、カフェテリアプランで何でも選べる。
「ある役員が上司のとき、いつも言っていた言葉があって。 『リクルートで偉くてもしょうがなかったりして』と。それが社内研修のキャッチコピーに使われていました。」
ここで偉いということが、どれくらいのことか、という極めて冷静な目線。だから、どこまでも貪欲になる。満足しようとしない。
「正しいビジネスを作っていこう、という気持ちがありますよね。なぜかというと、喜んでもらえるから。それがベタに感じやすい事業をやっていますし。今、CSRで1人、人材紹介に成功したら、恵まれない子どもたちに絵本をあげよう、というプロジェクトを始めたんですが、中国人の転職者がメッセージやサインを喜んで書いてくれるんです。それを見ていると、またひとつ価値が生み出せたな、と思えて」
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