結局、オバマと安倍は、仲がいいのか悪いのか?:伊吹太歩の時事日想(3/3 ページ)
米国のバラク・オバマ大統領が3年半ぶりに日本を訪問した。最大限の「おもてなし」で迎えた安倍首相だが「オバマ氏は仕事の話ばかり」と、空振り感が漂う。果たして、訪問を通じて2人は仲良くなったのだろうか。
あくまでビジネスライクの関係が好適
ちなみにオバマ氏が嫌っている首脳の1人として呼び名の高い、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、オバマ氏から酷い扱いを受けてきた。ネタニヤフ首相はオバマ氏が上院議員だったころからの知り合いで、オバマ氏はネタニヤフ首相に「左派寄りだった私は中道に変わり、右派のあなたは中道に変わった。私たちは共に現実主義者だ」と話をする仲だった。
にもかかわらず、オバマ氏が解決を目指した中東和平問題で、ネタニヤフ首相はことごとくオバマ氏を裏切った。そのため、オバマ氏は訪米したネタニヤフ首相からの夕食の誘いを拒否したり、協議を中座して1時間にわたり家族との食事に抜け出したこともある。
誰しも米国の大統領相手に、そんな事態になるのだけは避けたいだろう。ただ、かつての小泉純一郎首相とジョージ・W・ブッシュ大統領のようにキャッチボールをするほどの関係は首脳同士には必要ない。そのために労力を使うのは時間のムダと言える。
さて、振り返って安倍首相の「仕事の話が多かった」という愚痴だが、これではまるで、失恋した男友達を慰めているかのようだ。とはいえ、安倍首相がオバマ氏にフラれても、歴史ある日米同盟がすぐに崩壊することはないし、米国が「サヨナラ」との捨て台詞を残して日本の前から完全に姿を消すことはない。
逆にオバマ氏と仲良くしすぎると、小泉首相のように相手の要求を断りにくくなる可能性も出てくる。そう考えれば、仕事のみのドライな関係が一番理想的なのではなかろうか。
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