アラフォーの「pino(ピノ)」が、いまも現役でがんばっている理由:仕事をしたら“アイス”ができた(1)(4/6 ページ)
アイスが食べたくなったので、コンビニの冷蔵ケースの中をのぞいてみると、定番商品ばかり。アイス市場は新商品が生まれにくいものなのか。そんな疑問が浮かんできたので、ロングセラーを続けている「pino」(森永乳業)の担当者に話を聞いた。
新商品が大ヒットをするのは難しい
土肥: 本日の取材前に、コンビニに寄りました。そこでアイスの冷蔵ケースをのぞいたのですが、もう定番商品ばかり。ガリガリ君、ジャイアントコーン、あずきバーなどなど。各社は毎年のように新商品を出されているので、「出しては消え、出しては消え」の状態がずっと続いているわけですよね。
そこでお聞きしたい。アイス市場というのは、新商品がポッと出て、いきなり大ヒットするのは難しいのでしょうか?
木下: 難しい質問ですね。というのも、私たちは日々「新しいヒット商品を出そう」としている立場の人間なんで(苦笑)。
土肥: では質問を変えます。なぜピノは40年近くも売れ続けてきたのでしょうか?
木下: 正直に言って「分かりません」。
土肥: わ、分からないって……木下さん。
木下: あくまで推測ですが、「ポジションを確立する」ことが大切なのではないでしょうか。お客さんが「この商品おいしいよね」と言いながら、しばらくして「あれ? 商品名はなんだったっけ?」となる。そんなこんなしているうちに、他社から同じような商品が出たら、市場から排除されてしまうんですよね。なので「この味を楽しめるのは『ピノ』だけ」と感じていただける人を増やしていく。そうすることで、ロングセラーにつながっていくのではないでしょうか。
ということで、いきつくところは「味」。なんか……おもしろくない“答え”ですいません。
土肥: いえいえ、いくらワタシが関西出身だからといって、なんでもかんでもオチを求めているわけではありません。話を戻しますね。もちろん「味」は大切なのですが、今の時代、「味」をパクるのが簡単になってきましたよね。ある機械を使えば、ちょちょいのちょいで成分を分析できるので、簡単に味をパクることができる。そうなると、「この商品おいしいね。えーっと、なんていう商品だったっけ?」と思いだしているうちに、他社から同じような商品が出てくるかもしれません。
木下: ご指摘の通り、今の時代、ものすごいスピードで同じような商品が出てくるようになりました。そのスピードに負けないように、企業は商品のブランド価値を高めていかなければいけません。
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