連載
世界から「児童ポルノ帝国」と呼ばれるニッポン:伊吹太歩の時事日想(4/4 ページ)
衆議院で可決した「児童買春・ポルノ禁止法」改正案。日本では大きく報じられていないように見えるが、海外では大きな話題になっている。規制が強化された格好だが、海外メディアの反応は厳しい。その内容とは……?
世界が納得できる児童ポルノの法整備を
ちなみに米国は当然のことながら、児童ポルノを日本以上に厳しく規制しており、世界でもっとも児童ポルノに厳しい先進国の1つと言われる。児童性愛者を摘発するためのおとり捜査にアニメやマンガが使われたケースもある。児童ポルノに対しては、どちらかといえば、表現云々よりも児童の権利搾取という考えが先に立つ。
ただ日本に暮らしながら、日本について海外でどのように伝えられているのかを見ていくと、このように肌感覚の違いを実感することは多い。どちらかが正しく、どちらかが間違っているという問題ではない。どう見られているのかを知ることで、自分たちを客観視するきっかけになるということだ。
かつて許容されていたことが、決して許されないものに変わった例は、世界では少なくない。19世紀後半の欧米では、コカインのような麻薬の使用はそこまで珍しいものではなかったが、時代の変化とともに、厳しい処罰の対象になった。こうしたケースのように、世界では子供や児童ポルノに対する見方も変わり、規制はどんどん厳しくなっている。
変わりゆく時代の中で、アニメ大国である日本は、少なくとも児童ポルノに対して世界が納得できる法整備を議論する必要があるだろう。
関連記事
- 米国では、女性の5人に1人がレイプに遭っているという事実
最近、米国では大学内でレイプ事件がまん延し、政府が対策を迫られるほどの社会問題に発展していることをご存じだろうか。もはや、世界中のどこにいても、レイプの危険性を頭の片隅に置いておくべきなのかもしれない。 - 橋下市長の慰安婦発言、米国は本当に痛烈批判しているのか?
慰安婦発言で物議を醸している橋下徹 大阪市長。果たして米高官による「不快」発言は、どのような文脈で行われたのか。会見の様子を基に、日本メディアがどのように伝えたのかを検証する。 - 子作りキャンペーンから精子の輸入まで――世界の少子化対策いろいろ
日本では少子高齢化による人口減少が大きな問題となっているが、少子化に悩む国は日本だけではない。海外では、政府ではなく企業が少子化対策に乗り出すユニークな例もあるので紹介しよう。 - 連載:伊吹太歩の時事日想 一覧
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.