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覚えにくい? 「新函館北斗」という駅名が残念な理由:杉山淳一の時事日想(3/5 ページ)
JR北海道は11日、北海道新幹線の駅名を「新函館北斗」「奥津軽いまべつ」と発表した。そこに違和感を抱く理由は、地元のエゴ丸出しで、利用者のメリットを考慮しないから。決まったことに異議を唱えても仕方ないから、今回は「覚えやすい駅名」と日本語のリズムを考察してみよう。
「北斗」があれば「新」はいらない
それでも私は「新函館北斗」という駅名を残念に思う。その理由は「北斗」ではない。「新」である。
「北斗」があれば「新」はいらない。「新函館」は「函館と同じでは困る」から「新」が必要だ。しかし、「函館」と「函館北斗」は明確に判別できる。「新」は不要だ。
なぜ「新」が残念か。もう一つの理由は、日本語のリズム感に沿わないから。日本語は基本的に、7音または5音のリズムでできている。短歌、俳句、川柳など、日本人は7音5音のリズムを大切にしてきた。「函館北斗」は「はこだてほくと」で7音だ。そこに「しん」を付けると、どうも据わりが悪い。だから「新函館北斗」を会話で使う機会は減り、きっと北斗は省略される。「新幹線で函館へ行くよ」「新函館から乗り継いで札幌へ行く」となる。
この駅はどんな駅名にしても、実際は「函館」「新函館」と呼ばれるだろう。しかし、「新」がないほうが、北斗市にとってはマシな結果になるはずだ。「函館北斗」なら7音で言いやすいから、ちゃんと呼んでくれる人も多かろう。見方を変えると「新函館北斗」という駅名は、函館にとって勝利だ。「新」が付いたせいで「北斗」を切り捨てやすくなった。そこに北斗市は気付いているだろうか。
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