リクルートの最年少役員が語る、求人サイト「indeed」買収の舞台裏:最終回・上阪徹が探る、リクルートのリアル(1/6 ページ)
外資系企業とのM&Aは難しいと言われているが、なぜリクルートは米国で生まれた世界最大の求人サイト「indeed」の買収に成功したのか。M&Aを仕掛けたのは、リクルートホールディングスの最年少執行役員・出木場久征氏。彼に当時の話を振り返ってもらった。
著者プロフィール:
上阪徹(うえさか・とおる)
1966年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学商学部卒業後、リクルート・グループなどを経てフリーランスのライターとして独立し、雑誌や書籍などで執筆。経営、経済、金融、ベンチャー、就職などの最前線のビジネス現場から、トップランナーたちの仕事論を分かりやすく伝えるインタビュー、執筆を得意とする。取材相手は3000人を超える。
著書に『書いて生きていく プロ文章論』『リブセンス<生きる意味> 』『成功者3000人の言葉 人生をひらく99の基本』『職業、ブックライター』『僕がグーグルで成長できた理由』など。インタビュー集にベストセラーになった『プロ論。』など。
上阪徹が探る、リクルートのリアル:
→仕事ができる人の共通点は? リクルートで働いて学んだこと(2)
→月980円のオンライン予備校「受験サプリ」は、どのようして生まれたのか(4)
→創業は「紙」、今は「IT」――ビッグデータのカギを握る男に迫る(5)
→なぜ米国ではなく、ドイツに? ビッグデータを構築した男が選んだ道(6)
→上司は隣の部署の社員も評価しなければいけない――なぜそんなことを?(7)
→世界一になるとはどういうことか――答えは、まだ出ていない(8)
→リクルートの最年少役員は何を考え、どんな仕事をしてきたのか(9)
→本記事、第10回
この20年で急激な成長を遂げたリクルート。その変化を象徴するキーワード「グローバル」「新規事業」「テクノロジー」「戦略・人材活用」「M&A」を5つのテーマに、第一線で働く現役社員に聞く。「M&A」の第9回前編に引き続き、後編をお届けする。
月間ユニークビジターが1億4000万という驚異的なサイト「indeed(インディード)」を2012年に買収したリクルート。世界55カ国以上、28言語で展開している、2004年に米国で生まれたこの企業は、アグリゲート型検索モデルと呼ばれる事業を展開している。インターネット上にある求人情報を検索エンジンが検索し、求人サイト内の求人情報はもちろん、企業のWebサイトにある求人情報なども取って来られる仕組み。原理的には、インターネット上のすべての求人情報を検索できることになる。しかも、地球規模で、である。
このindeed買収を、全社Web戦略室室長時代に自ら仕掛け、現在はCEO&Presidentとして米国に駐在、世界規模の成長を牽引しているのが、グローバル本部グローバルオンラインHR担当の出木場久征氏だ。リクルートホールディングスの最年少執行役員。入社13年目の36歳にして17人しかいない執行役員の一人に任命された人物である。
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