虎ノ門ヒルズに直径10メートルの「穴」が開いたわけ:慶應SFC×アクセンチュア
7月17日から20日まで、虎ノ門ヒルズに直径10メートルの穴が開き、真下の「マッカーサー道路」が見える。実はこれ、データ分析で課題を解決するスペシャリストを探すコンテストなのだ。
7月17日、虎ノ門ヒルズに、直径10メートルの巨大な穴が開いたと聞いて見に行ってみた。広間の床を掘り抜いたような穴の下には道路があり、数台の車が走っている。虎ノ門ヒルズの真下を走る都道環状2号線、いわゆる「マッカーサー道路」の一部だ。
実はこれ、虎ノ門ヒルズのオーバル広場に空いた穴……ではなくて、「Dig deep! 掘り下げろ」というコンセプトの3Dアート広告。7月17日から20日まで4日間限定で公開される。穴の下の道路もホンモノではなく「絵」。都道環状2号線の建築データや写真を元に計算されたもので、本当に下を覗き込んでいるかのように、非常にリアルに再現されているのだ。
ヒトが助かる穴を掘れ
この3Dアート広告が作られたのは、慶應義塾大学SFC研究所とアクセンチュアが共同開催する「第2回 データビジネス創造コンテスト 〜Digital Innovators Grand Prix (DIG) powered by Accenture」の告知のため。DIGは学生にビッグデータを使ってさまざまな社会の課題に挑戦してもらおうというビジネスコンテストだ。
「ビッグデータというと、クラウドのイメージもあって『雲』とか、データが空にある気がしますが、今回は逆。データを『掘り下げる』ことにより真実に迫るのがアナリティクス……ということで、穴を掘る(=Dig)アートにしました。コンセプトは『ヒトが助かる穴を掘れ』です」(担当者)
課題を出すのは、神奈川県、佐賀県、会津若松市、鯖江市、流山市という5つの自治体。それぞれの課題をどう解決すれば良いかのアイデアを募集するとともに、各自治体が持っているオープンデータを参加者に提供。実際にそのデータを分析して、新たな制作や解決方法を提言してもらう……というコンテストだ。
例えば会津若松市の課題は、「(1)観光政策(あなたが会津に観光に来たいと思うには、どのような施策を講ずるべきか?)」「(2)教育政策(大学受験の進路状況など、都市部の教育環境との格差をいかに埋めるか)」「(3)少子高齢化対策(あなたが卒業後会津に就職したいと思うにはどのような施策を講じるべきか)」の3つ。鯖江市は「ITのまちづくりを進めてきたので人口が増えてきたが、『若者が定着する街』、外に出てもUターンしてもらうにはどうしたらいいか」。また流山市の課題は、子育てに優しい街を目指し、若い世代が増えているにもかかわらず「若年層の投票率が低いので、統一地方選挙で投票率を向上させるにはどうしたらいいか」……といったものだ。
学生対象、ビッグデータを活用したビジネスコンテスト
7月14日に募集を開始し、応募の締切は8月17日まで。参加できるのは、学生(高校生、大学生、大学院生)によるチームで、メンバーは何名でも構わない。2013年に行われた第1回データビジネス創造コンテストには約100件の応募があったそうで、「SNSに投稿されるなどして話題になることで、全国からもっとたくさんの学生さんに応募してほしい」(アクセンチュア)。コンテストの詳細はこちら(参照リンク)で確認できる。
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