第2回 現在、「iBeacon」が抱える課題:ビジネスパーソンが理解しておくべき、新時代のキーワード(1/5 ページ)
前回は「iBeacon」の基本を解説した。続いて今回は、すでに稼働している事例を参考に「決裁手段」はどうか、そしてiBeaconが現在抱えている課題を考察する
第1回は「iBeaconとは何か」の基本を解説した。
今回は、2014年8月現在、すでに実際に導入された事例より「具体的にどうしているのか」をひもとき、現在、iBeaconが抱えている(正確には、Beaconシステムの普及における)課題を考察しよう。
(1)デバイス上のアプリで決済する
スマホ×iBeaconで「決済」するにはどうするか。例えば、ショップやレストランで、手持ちのスマホにインストールしたその店指定の「該当アプリ」を使うことで、決済が可能である。
Beaconシステムにより、店に入った時点で該当アプリはiBeacon信号やGPSによる位置情報から、利用者がその場所にいることを認識する。その旨は店側のシステムにも(アプリが自動的にインターネットなどの通信手段で)通知し、情報を共有する。この状態を「チェックイン」という。
いざ会計するには、スマートフォンの「該当アプリ」に決済手段として“あらかじめ登録しておいた”クレジットカード情報を利用者が選択する。一般的なスマートフォン対応の通販サイトで何かを買う行為と基本は変わらない。
ただ、Beaconシステムで得られた情報を応用することで、わざわざレジに並んだり、店員に会計を頼まずとも、「決済の手続き(チェックアウト)」が可能になるというわけだ。店側も当然、システム上で「利用者はすでに支払いを終えている」情報を共有しているので、そのまま店を出て問題ない。新しい体験だと思う。店としてもオペレーションコストの軽減が期待できる。
関連記事
- ビジネスパーソンが理解しておくべき、新時代のキーワード:第1回 「iBeacon」とは何か?
ビジネスパーソンが理解しておくべき「新時代のキーワード」をしっかり理解しているだろうか。今回は2014年以降のO2Oマーケティングの切り札とも言われる「iBeacon」の“そうだったのか”を解説しよう。 - “最短1カ月”で導入できるiBeaconお試しキット、日本写真印刷が提供
日本写真印刷が、iBeaconを使うシステムを最短1カ月の短期間で導入できる「ストアビーコン・簡単スタートパック」の提供をはじめた。低価格なお試しキットで「具体的に何ができるか」を確認できる。 - 「館内案内」自分のスマホへ 八景島シーパラダイスがiBeaconに対応
横浜・八景島シーパラダイスがiBeacon対応の情報配信サービスを試験導入した。島内40カ所に発信器を置き、その場所に合わせた情報を来場者のスマホへ自動配信する。ベイシスイノベーションのシステム「beaconnect」を採用した。 - 何が変わる? iBeacon対応の「近未来レストラン」へ行ってみた
「iBeacon」が、今後のO2Oマーケティングの切り札になる──と言われている。先日、埼玉県新座市にオープンした“近未来のIT武装レストラン”で、Beacon/O2O施策の可能性と課題を確認する。 - クレカ対応個人決裁「Square」に新機能、ネット接続なしでも受付可能に
クレジットカードが使えるモバイルレジサービス「Square」に、一時的にネット接続のない場所でも使える新機能「オフラインモード」が加わった。ネットに接続できない場所や一時的につながりにくい場所でも決裁サービスを続行できる。 - “並ばず買える”「スマートオーダー」 the 3rd Burgerなど都内各店舗に導入
人気ショップなのに、並ばずに買える──。iBeacon機能を組み込んだモバイルウォレットアプリ「O:der」を使い、飲食店の新たな体験を提案するサービスが登場した。 - ナノ・ユニバース店舗に“Beacon”連動型のO2Oサービス──ACCESSのシステムで展開
スマホ普及率が高く、トレンドに敏感な20代〜の層を今後どう取り組むか。アパレルブランド「ナノ・ユニバース」がBeacon機能を用いた顧客サービスを、ACCESSの位置連動型コンテンツ配信ソリューションを導入して実施する。 - モバイルPOSレジ+リクルートポイントで沖縄のお土産屋を活性化できるのか?
那覇空港や国際通りで、リクルートポイントを軸にした観光地O2O施策が実施中だ。導入無料のモバイルPOS「Airレジ」を導入した、かりゆしウェア店に話を聞いた。 - 「ACCESS Beacon Framework」がAndroidにも対応、“Beacon”お試しキットも提供
“Beacon”を用いたコンテンツ配信ソリューション「ACCESS Beacon Framework」がAndroidにも対応。機能やサービスを試せる「評価キット」も用意する。 - ドコモも「iBeacon」対応加速 iPhone向け試験サービス開始
NTTドコモが、近づくだけでポイントが貯まる「ショッぷらっと」サービスにiBeacon機能を追加する。これまでの音波認識の仕様に加え、アプリ起動なしでも通知できるiBeaconに対応させることで、O2O戦略をより加速させる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.